新得産の菓子、お味は? 商品化目指し試食会
【新得】新得の地場産品を活用したオリジナルのお菓子の開発に取り組んでいる、町内の若者有志グループ「町グルメ開発プロジェクト研究会」は7日、町公民館で試作品の試食会を開いた。そば粉やチーズ、ユリ根などを使ったクッキーやパイなど6種類を用意し、菓子・パン業者や料理グループ会員らから味、コンセプトなどについて意見、アドバイスを受けた。
昨年、役場の職員研修として町内のクラブメッド北海道で地場産品の物販を経験した、町観光係の東田麻未さんが「新得にはお土産として観光客が手軽に購入できる箱菓子が少ない。多くの人が感じている“足りないもの”を自分たちの手で作り、町を盛り上げよう」と声を上げ、賛同した若い町職員と町民の8人が11月に研究会を立ち上げた。
町外国人観光客誘致活動推進事業の補助金20万円を受け、12月から製品の試作や勉強会を開始。箱菓子と平行してB級グルメ開発にも取り組み、夜間や休日に集まっての打ち合わせや試作は14回にも及んだ。
試食会には共働学舎新得農場のチーズを使ったクッキー、そば粉のビスコッティ、ユリ根のフロランタンなど6種類9点を提供。パン工房店主や飲食店主、こだわりアイスや食品加工品を作っているグループなどから12人が参加した。
試食した参加者からは「そばビスコッティはおいしい」「しっとりとしたミニパイは自分の好み」「どこにでもありそうな商品」「ヘルシーさを打ち出してはどうか」などさまざまな意見やアドバイスが出た。パン工房わかふじ店長の加藤博康さんは「一般の店であまり見かけないビスコッティなど、女性目線でのお菓子は参考になる」と感心していた。
浜田正利町長は「職員研修をきっかけに若い人が自発的に取り組んでくれたことはうれしい。次の段階へと努力を続けてほしい」と期待した。
同研究会では今年、イベントなどを通して町民にも食べてもらい、商品化を目指す。東田さんは「新得の食材は高級なものが多く、原価が下がらず難しさも感じているが、せっかくいい素材があるので生かせるように活動していきたい」と意欲を見せた。(大野篤志)