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とかちダルクがカフェ開設、就労継続支援も

 薬物依存症などの回復施設を運営する「NPOとかちダルク」(本部帯広、宿輪龍英理事長)は、帯広市西1南8にランチやスイーツなどを提供する「カフェるくら」を開業した。地域との交流や就労を通じ、依存者らの社会復帰を支援するのが狙い。4月からは就労継続支援B型事業所(以下B型)として障害のある人たちを広く受け入れる予定で、宿輪理事長(52)は「メニューには地場産食材も積極的に活用していきたい」と話している。

 とかちダルクは2011年、自らも覚せい剤の使用経験がある宿輪理事長が立ち上げた。全国にあるダルクと同様、薬物依存からの回復に向けて、相談やデイケア、ナイトケアといった施設事業などを展開している。現在、薬物依存や精神障害などの男性10人の利用者がいる。

 自前でのカフェ開設は利用者の就労支援の一環。3年前から市内の飲食店を間借りし、週1回、ランチを提供してきた(昨年10月で終了)が、「社会復帰の次の一歩として、地域住民など人との交流ができ、(利用者にとって接客業は)有効と感じた。利用者に対する世間の偏見も少しでもなくしたかった」(宿輪理事長)という。昨年2月から準備し、同12月にオープンした。

 カフェは美珍楼本店北側の元飲食店があった2階建てで面積約90平方メートル。運営の一部で独立行政法人・福祉医療機構の助成を受けたが、改装費は自己資金と借り入れで賄った。メニューはスタッフ手作りの長時間煮込んだビーフシチューセットやポークビーンズセット(パンとサラダ、ドリンク付き、各890円)、有機コーヒー(500円)など。1階は音響機器やステージも設けてライブなどにも対応する他、2階は会合などに利用できる。

 現在は職員と利用者4人がスタッフとして交代で対応。B型とした場合、定員は10人の予定。宿輪理事長は「ダルクがカフェを運営するケースは全国でもないだろう。手探りで正直、商売の大変さを実感しているが、周囲に支えてもらっているので早く軌道に乗せたい。十勝の生産者などとのつながりを強め、メニューにも生かしていきたい」と意欲を見せている。

 営業は午前11時~午後6時(月1回は夜の営業日あり)。定休は毎週月曜と第2・第4火曜日。電話番号は0155・66・6779。(佐藤いづみ)


◆とかちダルクについて
とかちダルク-公式ホームページ

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  • とかちダルクがカフェ開設、4月からは就労継続支援B型事業所に 2

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  • とかちダルクがカフェ開設、4月からは就労継続支援B型事業所に 3

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  • 店内にはライブができるスペースも。お薦めのビーフシチューセットを手に店をPRするスタッフら。左が宿輪理事長

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