ぶらりマチ歩き 夕焼けの大パノラマ まちマイ豊頃編
360度を見渡せる穴場の眺望ポイントがある-。地元の人からこんな話を耳にし、人づてにその場所を示した地図を入手した。まだ本格的に積雪する前の11月上旬の話。「絶景を見ながら飲むコーヒーはきっと格別では」と思い立ち、テーブルセットを用意してその地を訪れることにした。
出発前、インターネットの検索ページで「豊頃」「景勝地」とキーワードを入力したが、地図に示された場所はヒットしなかった。「これは超穴場だな」。パノラマの絶景を眺めるなら、やはり夕日が沈むタイミング。期待に胸を膨らませ、まだ太陽が傾く前に帯広を出発した。
目的の場所は、豊頃の茂岩市街地から車で10分ほどの豊頃地区にある。国道38号線から道道帯広浦幌線を池田方向に約1・5キロの地点から右折して、小道をさらに4キロ。小高い丘の頂上がその絶景ポイントだ。
車から降り立ち、「なるほど」と、思わず言葉がこぼれた。前評判通り、360度を見渡せすことができたからだ。息を呑む眺望、そう言っても決して大げさではない。景観を写真に収め、しばらく何も考えずに周囲の景色をじっと眺めた。何も考えずにただ景色に目をやるだけで時間を忘れてしまいそうだ。
太陽が沈みかける前に、持ち込んだテーブルをセットし、一人でドリップコーヒーをすすった。ポータブルスピーカーからお気に入りの音楽も流してみると、ぜい沢なカフェにいる気分になった。
今はきっと、雪が一帯を覆っていることだろう。でも、このポイントから眺める雪景色もきっと絶景に違いない。(富田英明)
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