FBで追悼の仏国旗 十勝でも拡大
フランス・パリの同時テロ事件を受け、インターネットの交流サイト「フェイスブック(FB)」で、プロフィル写真をフランス国旗と重ねる動きが十勝でも広がっている。追悼やテロ撲滅への気持ちを表すもので、発生翌日の15日(日本時間)から急速に拡大、サイト内は「トリコロールカラー(青・白・赤)」に染まっている。ネット上では「中近東などフランス以外のテロ被害国にも目を向けるべきだ」との指摘もある中、十勝では「他のテロ被害に対する意識を深めるきっかけになれば」との声が上がっている。
FBは自身のページに、利用者任意のプロフィル写真(顔写真など)を掲載できる。今回の取り組みはこの写真に半透明のフランス国旗を重ね合わせるキャンペーン。同サイトを運営する米国の「Facebook」が13日(現地時間)に開始した。
「パリ市民の安全と平和を願うプロフィル写真を設定しよう」と表示され、「『試す』ボタン」をクリックすると自身の写真をフランス国旗化できる。1人が実践すると、同サイトの「プロフィル変更写真紹介機能」が働き、周囲の友達(サイト状でつながっている人)に通知されることから全国的に広がった。
16日現在も自身のプロフィル写真をトリコロールカラーにしている幕別町の酪農業岩谷史人さん(52)によると、15日ごろから十勝でも多くの人がフランス国旗を重ねた。岩谷さんは「哀悼の意はもちろん、テロを撲滅したいという気持ち。多くの人に、日常的にテロの被害に遭っているシリア、レバノンなどに目を向けてもらいたいとの思いもある。テロを引き起こしてしまっている世界の流れを摘むために」と話す。
広尾町の自営業野澤利江さん(42)も「多くの命が失われている現状を知らせる取り組みを、最初に始めた人の勇気が素晴らしい。『フランスだけ』という声もあるかもしれないが、今回の動きが中近東にまで広がれば」としている。
(関根弘貴)