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士幌町商工会が水力発電に着手

建設中の小規模水力発電施設。左奥の発電所建屋にマイクロ水力発電機を備え、河川の伏流水を活用した発電を検討している(折原徹也撮影)

 【士幌】町商工会(中村貢会長)は、年内に中士幌幹西1線の町有地に水力発電施設を建設し、小規模水力発電事業に乗り出す。商工会が主体となって同事業に参入するケースは道内初で、全国的にもまれ。一般的な水の高低差を利用した発電設備とは異なり、地下水の吹き上げ式による構造自体も珍しいという。

 同会によると、町内業者が施工し、9月24日に着工、12月25日の完成を目指す。総工費は1500万円で、このうち1000万円は町の補助金を活用している。同月上旬をめどに実証試験を行い、本格的な発電開始は来年になる見通し。

 最大出力は7・8キロワットで、年間で一般家庭18世帯分に相当する約6万5000キロワットの発電量を見込む。出力は低いが、昼夜を問わず年間を通じて発電できるメリットがある。発電した電気は全て北海道電力に売電し、その収入から経費を差し引くと年間で200万円弱の利益が見込まれる。

 建設地は、町が2年前に設置した太陽光発電施設の北側で、豊富な水と地形に恵まれている。自然に落下する水の高低差を利用したタイプとは異なり、鉄骨造りの発電所建屋(6・25平方メートル)内部にマイクロ水力発電機を置き、河川地下の伏流水の吹き上げによりタービンを回して発電する仕組みを検討中だ。

 町は環境基本条例の制定や環境宣言をするなど環境に配慮した取り組みに力を入れており、今回の事業も同会による地域活性化策の一環。中村会長は「商工会の自主財源となる売電収入は、地域振興に活用する」とし、小林康雄町長は「バイオマス、太陽光、そして水力と、町内では風力を除く再生可能エネルギーの発電環境が整うことになる。今後も環境に優しいエネルギーの利用や環境対策を進めたい」と話している。(小縣大輝)

関連写真

  • 建設中の小規模水力発電施設。上部の発電所建屋にマイクロ水力発電機が備わり、河川の伏流水を活用した発電を検討している(折原徹也撮影)

    建設中の小規模水力発電施設。上部の発電所建屋にマイクロ水力発電機が備わり、河川の伏流水を活用した発電を検討している(折原徹也撮影)

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