静脈学会若手賞受賞 芽室公立病院の高橋医師
【芽室】公立芽室病院(町東4ノ3、小窪正樹院長)の高橋佳史外科医長(38)が、若手医師の優れた論文に贈られる今年度の「日本静脈学会YIAP賞」を受賞した。高橋医師は同院の造影剤を使わない3DCTVを用いた下肢静脈瘤(りゅう)画像診断の有用性を論文にまとめた。
下肢静脈瘤は血液の逆流を防ぐ静脈の弁が正常に閉じなくなる病気。血液が逆流してたまることで、足の血管が浮き出る、ふくらはぎがだるいなどの症状がある。同病院は管内でも下肢静脈瘤の症例が多い。
論文では、2009年9月~13年5月の期間中に非造影3DCTVを使用した1348人(2696肢)の診断例を対象に分析した。下肢静脈瘤の診断方法としてはエコー検査が用いられることが多い。高橋医師は「エコーは検査技師の技量の違いに左右されることも多いが、3DCTVは技量差が出にくい上に患部を立体的に把握できる」と有用性を指摘する。
高橋医師は島根県出身。自治医科大学医学部卒業後に同県内の病院を経て、13年に公立芽室病院へ着任した。今回の論文は小窪院長と野坂哲也外科診療部長との共著。高橋医師は「野坂部長や大学の先輩である小窪院長の指導を受け、貴重な経験になった」と振り返る。
同賞は7月に奈良県で開かれた同学会の総会で表彰され、高橋医師が論文内容を講演した。小窪院長は「素晴らしい賞を受賞してくれた。病院の誇り」と話している。(深津慶太)
◆公立芽室病院について
・公立芽室病院-公式ホームページ