市役所窓口に補聴支援機器 故宮本氏の遺族が寄贈
帯広市役所住民窓口の一部に、難聴者が音を聞こえやすくなる機器「カウンター型補聴支援システム」が初めて設置された。受け付け時にざわついたカウンターで、職員と高齢者や耳の聞こえにくい人が円滑にコミュニケーションを取ることができ、業務などをスムーズに行える。
機器は帯広商工会議所元会頭・最高顧問、宮本商産会長で3月に101歳で死去した宮本義雄氏の妻秋子さんが市に寄付したもの。市役所本庁舎戸籍住民課にすでに設置されており、本庁舎障害福祉課と市グリーンプラザ内の社会課にも今後設置される。
職員がワイヤレスマイクを用いて話し、来庁者が電話の受話器のような機器を耳に当てて聞くことで、音が聞き取りやすくなる。
市障害福祉課は「職員と来庁者が大きな声でやりとりをしていることもあるので、機器を使ってより会話がスムーズにできるようになる」と話している。
宮本氏はその他、補聴器を着けた人が会議や講演会などでマイクの音を聞きやすくする「携帯型補聴器誘導システム」5セットも寄付。グリーンプラザや保健福祉センターなどに置き、市は団体に貸し出すことも検討している。同プラザで非常時に目で分かるようにする回転灯(5セット)と福祉車両1台、合計約1000万相当を贈った。
5日に秋子さんの後見人である宮本商産の平征浩社長、宮本機械の加藤稔社長、宮本商産の山口良治常務が市を訪れて寄付し、米沢則寿市長から感謝状が贈られた。(津田恭平)