平和再考「本別空襲展始まる 広島の被爆資料も管内初展示」
【本別】1945(昭和20)年7月の北海道空襲で、管内最大の被害となった本別空襲を伝える特別展(本別町、同町教委主催)が10日、町歴史民俗資料館で始まった。戦後70年の節目に合わせ、札幌以外では初めて広島平和記念資料館の被爆関連資料や写真パネルも合わせて公開。戦争の悲惨さや平和の尊さを改めて考える展示会となっている。
45年7月15日の本別空襲では機銃掃射により40人が死亡、279戸の家屋が焼失した。2階の展示室では、炎上する市街地の写真や犠牲者の遺影、当時の被災者が身に着けていた防空頭巾などの他、ジオラマ風の手作りの「空襲マップ」も展示。被災者の証言や記録写真などを基に、爆弾が投下された場所や犠牲者が命を落とした位置を表示している。
1階では広島平和記念資料館から借り受けた被爆の実物資料20点と写真パネル30点を展示。被爆した女児の体内から29年後に取り出されたガラス片、熱で変形した瓦などが原爆の威力のすさまじさを伝える。「昭和史かるた原画展」も併催。「い」から始まる48枚の読み札と絵が、軍国主義に染まり、戦後の混乱や復興していく昭和の世相を時系列で表現している。
町内の方川広美さん(48)は、町歴史民俗資料館友の会の吉井誠さん(83)のガイドで見学。「被爆した実物資料は迫力があり、現実のものとして感じる。資料を残していくことは重要ですね」と話していた。
8月16日まで。町と町教委は15日午後6時半から、町中央公民館で「平和のつどい」を開き、平和の誓いを新たにする。
(鈴木裕之)