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障害者ベンチプレス斉藤さんに師事、健常の大道さん全道初優勝

斉藤さん(右)の指導で鍛え上げ初の全道大会で優勝を飾った大道さん。師弟で世界を狙う

 車いすのベンチプレス選手で第2回アジアパラ競技大会(昨年10月・韓国)などに出場した斉藤伸弘さん(48)=帯広、ワトム所属=が障害のない選手を指導し、弟子の大道祐輝さん(20)=同、十勝パワーリフティング協会、陸上自衛隊第4普通科連隊勤務=が全道大会初出場で優勝を飾った。経験豊富な障害者アスリートは、障害の有無を問わずにコーチとしても活躍できることを示した。大道さんは「斉藤さんのように国際大会でも活躍したい」と意欲を高めている。

 斉藤さんは二分脊椎症のため歩行が困難だが、岩見沢高等養護学校時代からスポーツに親しみ、アーチェリーとベンチプレスの2種目でパラリンピック出場を目指している。ベンチプレスは2011年の西日本障害者選手権大会に初出場で優勝。14年4月の世界選手権(ドバイ)、昨年のアジアパラ大会に日本代表で出場した。

 大道さんはサッカー部で活躍していた帯広大谷高校2年時に、筋力トレーニングで通っていた明治北海道十勝オーバルのトレーニング室で斉藤さんと知り合い、指導を受け始めた。社会人になってから本格的にベンチプレスの練習を始め、初の公式戦として第19回北海道クラシックベンチプレス選手権大会(5月10日・江別市)の男子83キロ級に臨んだ。

 大道さんは斉藤さんの指導で体重を制御、制限ぎりぎりの体重83・00キロで計量を通過。3本行う試技の1本目は出場9選手のうち、昨年4位のベテラン選手と並ぶトップタイの130キロ。2本目も共に135キロを上げて2人の優勝争いとなった。相手が140キロに挑むことを決め、そこでコーチの斉藤さんが申告時間ぎりぎりに大道さん自身初となる142・5キロへの挑戦を指示、大道さんは見事成功、相手は失敗して優勝を飾った。93キロ級と合わせた「中・重量級」でも銀メダルの好成績だった。

 大道さんは「毎週末の2、3時間の練習は、終わった後に疲れて膝をつくほど厳しい。食事や練習後のランニング、体幹トレーニングの方法など、世界を経験している斉藤さんの指導は素晴らしい」と師を尊敬する。来年3月には全日本大会に出場するが「斉藤流のベンチプレスで160キロまで記録を伸ばしたい。ジュニア(22歳まで)で世界大会に出たい」と意気込む。斉藤さんも来年9月のリオデジャネイロ・パラリンピック(ブラジル)出場を目標にしており、師弟で世界を狙う。(横田光俊)

関連写真

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