すり下ろしの山ワサビ手軽に 木材業のヤマオ、芽室
【芽室】製材業のヤマオ(町西11ノ6、板橋衛社長)は、道産山ワサビをすり下ろした新商品「北の山ワサビ」を開発した。風味や辛みなどすりたての鮮度を保つため、アルミパックでの冷凍保存を考案。北海道ならではの香辛料として、首都圏にある道のアンテナショップでの販売をはじめ、海外への販路開拓も視野に入れている。
同社は1993年に地場産品物流課を立ち上げ、選んだ道産食材のホテルなどへの売り込みや、カタログなどで紹介する通信販売事業を始めた。生の山ワサビを小分けに真空包装した商品は2001年から販売し、自社敷地内に保冷施設を設けて加工。東京都内にあるアンテナショップ「北海道どさんこプラザ」で人気を集めてきた。
好評な一方で、消費者や業者からは「繊維が多いため、すり下ろすのが大変」などの声も。約5年前からすり下ろしの商品化に取り組んだが、風味と辛みをどう維持するかが課題だった。そこで、アルミパックにすり下ろしを入れ、空気を抜いて冷凍保存する方法を採用。冷凍したまま使う分だけ取り出す形で、1年近くはつんとした風味を楽しめるという。
「本州の人に本物の道産食材を味わってほしい」(板橋三千代営業部長)という思いから始まった同課の事業。すり下ろしの山ワサビも道外での販売を中心にする予定で、同プラザでのテスト販売を模索している。
海外での販売にも挑戦する。山ワサビはセイヨウワサビとも呼ばれ、ヨーロッパが原産。板橋部長と交流のあるオーストリアの日本食レストランの中国人オーナーが興味を持ったこともあって、板橋部長は8日から1週間の日程で同国に滞在する。同レストランを中心に料理の提案や販路開拓に取り組む予定だ。
板橋部長は「すり下ろしの山ワサビはしょうゆ漬けにするなど瓶詰めが多いが、他にはない新しい商品開発を目指してきた。道産山ワサビが本ワサビにも負けない食材であることをPRしたい」と話している。(深津慶太)
◆ヤマオの「北の山ワサビ」について
・山わさび(株式会社ヤマオ)-スロウ通販
・北のわさび-近江牛 松喜屋のつぶやき