台湾客らに小豆人気 音更・十勝川温泉第一ホテル
【音更】十勝川温泉第一ホテルの売店「おみやげ処玉手箱」で、十勝産小豆の生豆の売り上げが今月急増した。19日が中華圏の旧正月に当たり、台湾や香港などから訪れた宿泊客が多いこともあるが、500グラム入り(571円)の生豆が2月1~24日の集計で236個も売れた。国内ブランドの十勝産小豆が海外の旅行者にも浸透し始めているようだ。
小豆の生豆の売り上げ個数は、甘納豆の267個に次ぐ2位の多さだった。小豆を使ったどら焼き、きんつばやきんつばアイスなども好調な売り上げだった。
これまで小豆関連の商品の売れ行きで目立った動きはなく、前年同期の小豆生豆の売り上げ個数は57個と今年の4分の1。直近の月別売り上げ個数は、昨年9~11月は30~70個台、12月132個、今年1月は57個だった。同店では「甘納豆はホテルの部屋入れ菓子のため以前から人気は高く、これに次いでお菓子の詰め合わせなど。小豆の生豆がこんなに売れたことはなかった」としている。
ただ、十勝川温泉では、生豆を升で販売しているホテルもあるが、「ほどほどに売れている」(笹井ホテル)などとし大きな変化は見られない。
第一ホテルの売店では「ツアーの添乗員らが十勝の小豆をツアー客へPRしたためではないか」と売れ行き急増の理由を分析している。
同ホテルで研修中の台湾の大学生、王藝蓁(ワン・イーチェン)さん(22)は「台湾では、おしるこを食べる他、ようかん、どら焼きなど小豆を使った菓子もある。最近では、小豆の煮汁を美容水として使っている」と言い、小豆は台湾でも浸透しているそう。ただ「台湾では十勝が豆の産地であることは知られていない」という。
同店担当の荒木美智子さんは、小豆生豆の売り上げ増加を受けて十勝の良さを改めて見直した。「十勝に長く住めば小豆を見ても感じるものが少ないだろうが、外から見れば小豆の価値が分かる。もっと十勝の良い物を情報発信しなければ」と話している。
(平野明)