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両親ら熱気球でしのぶ 御嶽山噴火で犠牲の池田さん

バルーンに乗り込む一博さん(右から3人目)、裕紀子さん(同2人目)夫妻と発起人の八戸さん(左から3人目)、中津川実行委員長(同2人目)

 【音更】「息子も喜んでくれているはず」-。昨年9月の御嶽山の噴火で犠牲となった奈良県の池田啓亮さん(享年32)を追悼しようと、両親の一博さん(64)と裕紀子さん(63)が22日、音更町十勝川温泉ホテル大平原特設会場を起点に行われた十勝管内のバルーンイベント「第18回ゆめ気球とかち」(実行委主催)で池田さんと親交のあった熱気球仲間らと十勝の冬空へ飛び立ち、生前の池田さんをしのんだ。

 池田さんは熱気球のパイロットの資格を持ち、大阪府立藤井寺工科高校の教諭だった。上士幌町航空公園で毎年開かれている「北海道バルーンフェスティバル」(同組織委員会など主催)にも2001年から計5回出場するなど、たびたび十勝に足を運んでいた。

 池田さんを学生時代から知り、合宿をともにしたことがある航空写真家の八戸耀生さん(54)=札幌市在住=が葬儀に出席後、両親とのやりとりで「2月に参加予定のイベントで一緒に飛びませんか」と話を持ち掛けた。

 それを機に中津川武秀実行委員長の賛同も得た上で今回の“追悼フライト”が実現。参加者に池田さんの思いも乗せてフライトを楽しんでもらえるよう、池田さんが操縦していた熱気球と同じ白黒のチェック柄のリボンを用意した。

 当日はあいにくの曇り空の中、帯広や札幌など道内11チームから約65人が参加。黙とうをささげた後、一博さんと裕紀子さんも八戸さんや中津川実行委員長と気球に乗り込み、高さ約300メートルから大地のパノラマを一望、約1時間の空中散歩を楽しんだ。

 その後はホテル大平原に移動して懇親会を行い、池田さんの思い出話に花を咲かせるなど親睦を深めた。裕紀子さんは「多くの方々に追悼してもらって感謝の気持ちでいっぱい。息子も幸せものだと思う」、一博さんは「息子が愛した十勝の景色は雄大で、一生の思い出に残りました」と目に涙を浮かべた。(小縣大輝)


◆池田さん追悼フライトについて
熱気球に情熱、上士幌にも 御嶽山で犠牲に高校教諭池田さん-十勝毎日新聞電子版(2014/10/03)
冬の大空彩る20基、追悼フライトも ウインターバルーンフェス開幕-十勝毎日新聞電子版(2015/02/07)

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