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山村留学で芽室に溶け込む子供たち まちマイ芽室編

上美生に山村留学している子供たち(ふるさと交流センターやまなみで)

 町の南端にある上美生地区は、中学校の存廃問題をきっかけに、町外の子供たちが移住して学校に通う「山村留学」制度に取り組んでいる。町立の宿泊施設「ふるさと交流センターやまなみ」や専用住宅に暮らす子供たちは11人。地域住民が見守る中、のびのびと毎日を過ごしている。

 やまなみには、親元を離れた小学生1人と中学生6人が暮らしている。取材した日は節分。夕食後に落花生をぶつけ合い、はしゃぐ姿はまるできょうだいのようだ。

 親代わりとなっている施設管理人の空橋勝雄さん(75)は「センターに来てまだ1カ月の子もいるが、すぐに打ち解けてくれたのでひと安心」と話す。

 「センター留学」する子供7人のうち、関東から来たのは6人。「スーパーマーケットやコンビニエンスストアがない。本当に暮らせるの?」。埼玉県から来た中学1年生の利根川ひとみさん(13)は環境の変化に戸惑ったという。

 姉2人が山村留学の経験者で、「親が勝手に決めたから、気が進まないところもあった」という。上美生の人々や部活のバトミントンに熱中し、今では「いつの間にか不便さは気にならなくなった」。

 山村留学する子供たちに上美生の良さを聞くと、「リスをよく見かける」「空気がとてもきれい」など、本州とは違った自然環境の良さが挙がるが、受け入れる上美生の人の温かさを実感した子供もいる。

 中学2年生の茂野創太郎君(14)は「規模が小さい学校なので、以前の学校と比べると、よく話せるようになったのは良かった」と話す。

 地域の大人たちで作る上美生地区山村留学推進協議会は夏のいかだ下り、乗馬体験などを企画することで、山村留学生と地域の距離を縮めようと活動している。茂野君は「本州にいたときは近所とあいさつすることもなかったけれど、ここではよく声を掛けてくれる」と地域の見守りを実感している。

 中学3年生の早川海渡君(15)と小笠原聖君(15)は、進学するためにもうすぐ上美生を離れる。「来る前とは少し違う自分になれたかな」と早川君。残り少ない上美生での生活を満喫するつもりだ。(深津慶太)




 子供たちの元気な笑顔は町の活力。芽室の雄大な自然環境の中で健やかに育つ子供たちと、成長を支える大人たちを紹介する。


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