老舗のお菓子守る若手 まちマイ芽室編
■お菓子のまさおか
誕生日に人気、似顔絵ケーキ
「お菓子のまさおか」(東1ノ2、正岡宣征代表)に昨年4月、心強い味方が加わった。正岡代表(69)の長男の崇さん(38)と妻のありささん(33)だ。ありささんは帯広市内の洋菓子店で働いていた経験を生かし、誕生日ケーキにアニメキャラクターや似顔絵を描く有料サービス(繁忙期を除く)を始めた。4代目を担う夫婦は、創業98年の老舗で新たな挑戦に取り組んでいる。
崇さんは体調不良もあって、5年前に一度店を離れ、帯広競馬場で働いた。ありささんも同店で働いていたが、市内の洋菓子店で勤務。ただ、「自分が店を継いで残していきたい」(崇さん)と一念発起して同店に戻ってきた。
「店を大きくしていこうという野心はない。今まで通りの味を提供できれば」と崇さん。ありささんは「(他店での経験を)新たなアクセントにしたいが、なかなか難しい」と試行錯誤を続ける。
デコレーションは注文時に客が持ち込んだアニメのキャラクターや子供の似顔絵を手本に、板チョコにチョコレートペンでふち取りし、着色料で色を付けていく。大きさにもよるが「早ければ1時間半ほどで仕上がる」(ありささん)という。(深津慶太)
■こばやし
昔は駄菓子屋、ワッフル名物
手造り菓子の店こばやし(本通2、小林淑子社長)は、約100年前に駄菓子屋として創業。後に手造りの洋菓子などを扱うようになり、約30年前に始めた名物のソフトワッフルは町内外で高い人気を博す。
現在、厨房を任されているのは小林社長の長男真也さん(39)。東京の洋菓子店で5年間修行を積んだ後、20代後半から店に立ち、妻喜美江さん(39)とともに切り盛りする。「ソフトワッフルなど伝統の味を残しつつ、新商品もどんどん出していきたい」と話す。
食感や焼き色、素材の組み合わせなどに気を配り、各商品の個性を引き出すよう心掛ける。その真骨頂が発揮された新商品の一つが「フロマージュ淡雪ロール」(1080円)で、しっとりふわふわのスポンジ生地とチーズを合わせたクリームの組み合わせが人気を集めている。クリスマスケーキにも力を入れており、個性的な商品を多数そろえている。
JR帯広駅のエスタ内にも店を構えるが、今後は手を広げる考えはないという。真也さんは「地元密着で営業して、地域とともに成長していきたい」。芽室への思いは熱い。(高橋真史)
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