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明治時代に入植、味の歴史継ぐ松久園 まちマイ芽室編

美生の地に対する強い思いを語る松久代表

 松久園(芽室町美生1)のルーツは、松久大樹代表(42)の高祖父で岐阜県から十勝に入植した市治氏が、美生の土地を購入した明治期にさかのぼる。

 近くを流れる美生川は水が豊かで、サケが遡上(そじょう)することもあったという。「冷たくてきれいな水がおいしい魚を育てる」との思いで、先々代の正光氏が1950年代にニジマス養殖を始めた。当初は釣り堀として営業していたが、61年に知人の助言で料理を提供することにした。これが松久園の始まりだ。

 創業53年になる松久園は今年の冬、初めて店舗での食事を休み、仕出しと持ち帰りのみに。家屋の老朽化で寒さ対策がままならなくなったためという。

 それでも松久代表は「松久園は料理だけでなく、この家屋や環境すべてが商品。支店を出すとか、別の地に移転することは全く考えていない。わざわざ足を運んでもらうのに値する場所でありたい」と語る。
(石田宇郎)


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