大雪、歳末経済を直撃 物流停滞、外出控え…
16日午後から17日にかけて大雪に見舞われた十勝では、18日は天候は回復したが、物流など経済活動への影響が続いている。全道的な道路通行止めや一部フェリー欠航で、魚や野菜などの生鮮品は今週いっぱいは入荷が滞る見通し。一方、消費者もこの雪で外出を手控え、歳末商戦や忘年会需要を見込む小売・飲食業界も頭を抱えている。“選挙”が終わったら“鮮魚”がない-。こんな恨み節も聞こえてきそうだ。
入荷量が半分 正常化は来週
いつもの年なら、年末需要を見込んでカニやタラ、タチなどが所狭しと並ぶ帯広地方卸売市場(帯広市西21北1)だが、18日早朝は空きが目立った。この日の入荷量は「普段の半分程度。きょうは広尾方面から入ったものがメーン」(同市場)という。道路通行止めで釧根、オホーツク方面からの入荷はなく、フェリー欠航の影響で本州方面からの物流も滞った。
低気圧の通過で道内沿岸はシケが続き、日本海側は先週末から、太平洋岸でも17日は休漁となった。同市場の平井智晃鮮魚主幹は「漁がなければ魚もない。天気次第だが、通常に戻るのは来週になってからではないか」と話す。
野菜は、18日はほぼ通常通りの入荷に。ただ、この時期は大半が本州産。フェリー欠航の影響が出るのは19日以降とみられ、こちらも今週いっぱいは影響を受けそうだ。平井主幹は「大雪で客足が鈍いのか、注文も例年より少ない」とし、雪が消費鈍化にもつながっていると指摘している。
各店へ商品配送 1、2時間遅れ
食品スーパー大手のダイイチ(帯広)は17日、各店への商品配送が1~2時間程度遅れた。
18日も、生鮮品は何とか平常通りを確保できたが、配送遅れは続きそうだ。雪は客足にも影響し、「17日は普段の半分程度だった」という。
藤丸では商品の入荷遅れはなかったが、やはり入店客数が落ち込んだ。それでも、「今週末が最大の歳末商戦。(雪が)週末に重ならなくてよかった」と胸をなで下ろす。
忘年会なのに夜の街閑散
飲食関係では、市内中心部の「北の屋台」は17日夜に20店中8店が休業。1店当たりの客入りはある程度あったが、忘年会シーズンのにぎわいはなかった。ある店主は「衆院選が終わって、さあ忘年会と思ったら次は大雪」とうんざりした表情。
大雪はタクシー業界にも大打撃を与えた。夜の飲み屋街の閑散もあって利用者が少なく、早めに切り上げる乗務員が多かった。道路状況の悪さから稼働台数も減り、運賃収入は大幅に減少した。
まりもハイヤー(帯広)では、16日の夜勤車の売り上げが例年に比べ3割ほど減ったという。同社の佐藤淳一社長(十勝地区ハイヤー協会会長)は「選挙が終わってようやくというところでの大雪。業界全体に大打撃だった」と話す。