シラカバ並木 植え替え作業始まる 音更
【音更】寿命で傷みが目立ち、将来の存続が危ぶまれていた家畜改良センター十勝牧場(町駒場並木)入り口のシラカバ並木を更新する作業が始まった。約10年をかけて全体の7割に相当する472本を伐採し、苗木を植樹する。北国を象徴する景観とスケールの大きさから人気のある観光スポットを次世代へ引き継ぐ。
更新作業は十勝川温泉観光協会、町、同牧場の3者が取り組んでいる。シラカバの木は、一部ナナカマドなどを含めて並木道約1・3キロの両側に661本あり、美しい景観から映画やテレビ番組のロケにも使われている。
同協会の委託調査では、樹齢は寿命の40年を超え、50~80年に達している。ただ、シラカバは個体差があり、100年ほど生きる例もあり、幹の傷みや枯れ枝など総合的に見極め、186本を存続できると判断した。更新では植樹する苗木が日陰にならないよう既存木を含めて7・5メートル間隔で植える。
今年度の伐採作業は12日から始まり、老朽化が進んでいる7本と入り口から最も奥の北側39本の合わせて46本を伐採し、このうち植樹に支障のある25本を抜根する。
シラカバの樹高は最大で23メートル。作業を受託した町内の阿部造園では高所作業車を使って枝を切り落とした後、幹を何回かに分けて裁断。並木道は作業中も交通止めにせず、道路側へ倒れないよう幹にロープをかけて慎重に作業を進めている。伐採は22日までに終え、25日に苗木を植樹する予定。
阿部造園の担当者は「幹の内部が虫に食われ、空洞になったものもある。よくぞここまで持ちこたえた」と話していた。
家畜改良センター十勝牧場では伐採した樹木の活用方法を検討しているが「シラカバは木質が軟らかく、活用が難しい」と話している。(平野明)