ゲリラ豪雨対策に課題残す 豊頃と大樹の大雨
【豊頃・大樹】十勝地方は9日午前、大気の状態が非常に不安定となり、沿岸部を中心に猛烈な雨に見舞われた。一部の道路は土砂崩れなどで通行止めとなり、釣り人の車約80台が一時取り残されるなど影響が出た。各路線とも10日正午現在、一部を除き通行止めが続いている。豪雨は局所的だったため、行政の初動が遅れる事態も。今後も予想されるゲリラ豪雨への対応に課題を残した。
帯広測候所によると、レーダーによる解析で、大樹東部では同9時半までの1時間に約110ミリの雨が降ったとみられる。同11時すぎまでの24時間解析雨量は大樹東部で約193ミリ、豊頃町海岸沿いで約165ミリに達した。一方、気象観測所で記録した降り始めからの雨量は豊頃町大津で100・5ミリに達したが、大樹ではゼロで豪雨が極めて局地的だった。
豊頃町湧洞では道道湧洞線でのり面が崩壊、20メートルにわたり土砂が道路をふさいだ。町道大津広尾海岸線でも路面が崩壊し、通行止めとなった。両路線では一時、釣り人の車約80台が取り残されたが、午後2時すぎまでに避難が完了し、けが人はなかった。大樹町でも道道ホロカヤントー線と町道生花海岸線が冠水などで通行止めとなった。
豊頃町では9日午前4時すぎ大雨警報が出た段階で、町の防災担当者が情報収集に当たる「第1非常配備」につく必要があったが、実際に配置が完了したのは同6時半だった。町総務課は「担当者が防災メールに気付かなかった」と遅れた理由を説明し「今後は消防とも連絡を取り合い、警報発令の段階で速やかに配置につくようにする」としている。
一方、大樹町では午前7時半ごろ、地域住民からの通報を受け、町道生花海岸線の土砂崩れを確認した。同町に大雨警報が出たのは同9時50分だった。
帯広建設管理部では、午前4時前からパトロールを開始し、道道湧洞線では土砂崩れ発生前の同5時に、落石の恐れがあるとして通行止めとした。
同測候所によると、十勝地方は10日夜から11日にかけて、再び広い範囲で雨になる見通しで、引き続き土砂災害などに警戒するよう呼び掛けている。
◆豊頃、大樹の大雨について
・強烈な雨「小石のよう」 海からの風雨雲発達 豊頃・大樹-十勝毎日新聞電子版(2014/09/09)