「貴重なコケ」に認定 然別湖周辺の風穴地帯と東雲湖
【鹿追、上士幌】鹿追、上士幌の両町にまたがる「然別湖周辺の風穴地帯と東雲(しののめ)湖」が、日本蘚苔(せんたい)類学会が定める「日本の貴重なコケの森」に道内で初めて認定された。認定は8月27日付。
同学会はコケ類に関する研究者や愛好家らで組織され、貴重な種を育む地域を保全する目的で2007年に「日本の貴重なコケの森」の認定を始めた。今回は青森県で8月27日に行われた同学会第43回大会で、道内では千歳市の名勝「苔(こけ)の洞門」とともに全国21カ所目に選ばれた。
「然別湖-」は大雪山国立公園の南東部、東大雪地域に位置。然別湖の周辺は広大な風穴地帯に覆われ、エゾナキウサギや高山植物などの動植物が特異的に分布している。とりわけ東雲湖や駒止湖に続く歩道、東ヌプカウシヌプリの登山道にゴレツミズゴケなど希少なコケ類が群落を形成し、美しい景観を有している。また、東雲湖は然別湖から徒歩で1時間半ほどの距離に位置する北海道三大秘湖の一つで、6種類のミズゴケ類が確認されている。
同学会員で、ひがし大雪自然館(上士幌町)の乙幡康之学芸員は「風穴地の蘚苔類と高層湿原のミズゴケ類を見られる地域は数少ない。景観の美しさも高く評価されたと思う」と話している。(小縣大輝)
◆日本蘚苔類学会について
・日本蘚苔類学会-公式ホームページ
・選定「日本の貴重なコケの森」-日本蘚苔類学会ホームページ