アフリカ・ブルキナファソに野球道具寄贈 十勝ベースボールプロ
野球道具を寄贈、友好を深めた(後列右から)竹島宏和さん、女ヶ澤圭悟さん、安藤裕太代ら十勝の野球愛好者と、ブルキナファソの少年たち(前列左がカファンド君、後列左から2人目がサノー君、同3人目がザブレ君)
十勝を中心とする10~50代の野球愛好者が16日、帯広の森野球場で西アフリカのブルキナファソから富良野に滞在中の少年3人に、野球道具をプレゼントした。道具は、同日に同球場などで行われた第5回年代別野球大会の108人の参加者の他、管内在住者らから不要になった物などが寄せられた。サノー・アミール君(17)は「本当にうれしい。大切に使う」と感謝していた。
贈られたのは40数本のバットや軟式ボール、グローブ、スパイク、ヘルメット、レガース、ユニホーム、帽子など。また、参加料の一部から3人に、新品のグローブも寄贈された。
呼び掛けたのは、十勝ベースボールプロジェクトの安藤裕太代表(27)=JAあしょろ勤務、竹島宏和さん(33)=タケシマスポーツ勤務、女ヶ澤圭悟さん(27)=JA中札内村勤務=の元高校球児。同プロジェクトは野球を通じた地域や社会貢献などを目的に今年6月に発足した。
「ブルキナファソ野球を応援する会」代表の出合祐太さん(31)=富良野市在住=と、安藤代表は札大野球部の先輩と後輩の間柄。日本のプロ野球選手を目指す少年を受け入れ、富良野を拠点に社会人チームなどでの練習のセッティングをする出合さんの活動を知った安藤代表と他の2人が関心を持ち、フェイスブックなどで協力を募った。この日、続々と集まる野球道具を見て、女ヶ澤さんは「まさかこんなに集まるとは」と目を丸くした。富良野から駆け付けた出合さんとカファンド・アミール君(16)、サノー・アミール君(17)、ザブレ・ジニオ君(18)も驚いていた。
人口1750万人(2012年時点)の内陸国ブルキナファソはサッカーが盛んで、野球は1999年に連盟が立ち上がったばかり。同国から要請され、2008年に国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員として出合さんらが派遣されて、本格的な普及活動が始まった。13年の競技人口は200人ほどで、道具やグラウンドなど環境面は十分でない。来月上旬に一時帰国するサノー君は「ボールもいっぱいあるのでバッティングがたくさんできる。(ブルキナファソで)しっかりと練習して上手になりたい。もらった道具は、他の子供たちにも大切に使うように言いたい」と目を輝かせた。
3人はこの日の大会にも参加。サノー君は右中間に特大の三塁打を放ち、カファンド君は三塁のフェンス際のフライを好捕。ライトを守った身長190センチのザブレ君も50メートルを6秒前後の俊足を飛ばし、大歓声を浴びた。安藤代表は「身体能力が高い。数年前に野球を始めたとは思えないし、楽しそうにプレーする」と目を細め、竹島さんも「今後も支援を続けたい」と話していた。(北雅貴)
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