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JR特急脱線炎上事故3年 利用に未だ不安

トンネル内で脱線、炎上した特急列車は、車両全体が焼損し、事故のすさまじさを見せつけた(2011年5月29日)

 3年前のJR石勝線特急脱線炎上事故を皮切りに、JR北海道で相次いだ列車トラブル・事故や不祥事。十勝でも利用者の鉄道離れをもたらし、列車の減便・減速運行は地域の観光や経済にも影響を及ぼし続けている。鉄路の信頼失墜の傷は深く、「安心して利用できない」「早く信頼回復を」など、十勝からも厳しい目が向けられている。

 帯広市内の主婦佐藤君枝さん(37)は、3年前のスーパーおおぞら脱線炎上事故を機にJRの利用を控えるようになった。代わりに、遠出でマイカー利用が増えた。「鉄道は信用できなくなった」という。

 道東道の札幌圏延伸を機に増便された都市間バスも、鉄道離れの一因。同市内の無職高橋秀子さん(70)は「都市間バスの方がJRより割安で安心感もある」と話す。

 市内旅行会社の国内旅行担当者は「冬場に出ていたJR利用のパック商品が不調になった。代わりにマイカーやレンタカーを使う宿泊パックが出ている。道東道の存在も大きい」と変化を実感する。

 JR函館線でも相次いだ列車トラブルや事故を受け、JR北海道は昨年11月から、札幌-釧路間の特急を減便した上、「おおぞら」を減速運行している。安全優先を掲げた結果、利便性が制約された格好だ。

 鉄路の利便性の制約は、十勝の観光や地域経済にも陰を落とす。市内のある旅行代理店の支店長は「減便によって交流人口は減少したまま。JR北海道が信頼を回復しなければ、道東観光はダメージが残ったまま」と厳しくみる。近畿日本ツーリスト北海道帯広支店の大武俊介支店長は「定時運行とアクセスの良さという強みを発揮する運行をしてほしい」と願う。
(杉原尚勝、小縣大輝)

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