ハワイの経営者らが来勝 十勝の小豆を発信へ
十勝とハワイの経済人らが互いの地域を結び、交流や地域振興につなげるプロジェクトが始まった。ハワイ側は十勝産小豆を使った料理コンテストや、十勝に関する映像番組の制作、本の出版などを計画。26日には来勝中の現地関係者ら35人が幕別町の十勝ヒルズを訪れ、種まきを通して十勝の小豆に理解を深めた。ハワイを起点に国際的に十勝の存在感を高める取り組みとして、十勝の関係者も期待している。
同プロジェクトは、ハワイでメディアや不動産、飲食業などを幅広く展開する経済界の重鎮の1人、デュアン・クリス氏(60)らがアジア太平洋地域で社会事業を展開する一環で、東京の社会事業団体・ベリー50と共同で行う取り組み。両団体と、アジアと十勝の連携事業に取り組むプロットアジアアンドパシフィック(帯広市)の後藤健市会長のつながりで、十勝が対象地域となった。
十勝を世界に売り込むため、小豆を軸に活動が具体化。8月下旬~9月上旬にハワイで開かれる「ハワイフードアンドワインフェスティバル」で、小豆を使った料理コンテスト「十勝カップ」を行う。ハワイや米国本土、日本などから約80人のシェフが参加し、小豆のメニューを競う。
特産の小豆や観光、歴史を学ぼうと、クリス氏やハワイ大の学生、東京都内の学生らが23日に来勝。26日午前には十勝ヒルズで小豆の種まきを体験した。同ヒルズを経営する丸勝(帯広市)の梶原一生常務は「十勝の小豆は世界に通用するもの。小豆をきっかけに十勝を知ってもらいたい」と話した。
ハワイ側は今回の十勝訪問の様子をテレビ番組として制作し、現地や米国本土で放映するほか、十勝カップのレシピなども含め、本の出版も計画している。クリス氏は「十勝を知るために体験を通じて歴史や産業などを学ぶ。プロジェクトを通じ、将来的には十勝に全米からの旅行者が増えれば」としている。
一行はばんえい競馬など管内の名所を訪問、十勝千年の森(清水町)では植樹祭に参加するなど、積極的に十勝での人脈づくりをしている。経営者らは29日まで、学生メンバーは6月5日まで滞在する。(関坂典生)