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26日市内停電時の病院火災、北電設備の故障が原因

電柱の一番上にある北電の機器が故障、停電が発生した。電話回線装置(電柱の下の方)から過剰な電流が流れて近くの病院の電話回線設備から出火した(帯広市東2南14)

 帯広市中心部で4月26日午後4時ごろ、計423戸が停電した直後に発生した帯広整形外科(同市東2南14、桑原弘樹院長)の火災について、北電帯広支店は3日までに、十勝毎日新聞社の取材に対し、停電の影響によって出火したと明らかにした。同病院北西側の電柱にある北電管理の機器が故障し、電話回線を通じて過剰な電流が院内の設備に流れたという。現時点でどのように流れたかは不明で、停電を機に電力供給先で火災が発生する事態は「極めてまれ」(同支社)という。周辺では、停電に加え、電話回線が一時使用できなくなるなど市民生活に影響が出た。同支社は再発防止に向けて同種設備の再点検などを進める考えだ。

 同支店によると、電柱上部に設置された電気使用量を測定する機器(計器変成器)の故障が停電の原因。この機器は高圧電力を使用する同病院用に接続されていた。電線から同機器に電流を引き込むリード線でビニール製の被覆の破損が確認されており、これが鉄製の同機器と接触し、停電を引き起こしたという。

 同支店の調査では、同じ電柱に設置された電話回線を引き込む装置と、院内の電話回線や通信回線を集積する設備が焼損していた。一方、院内の電気設備の状況や電気の使用方法などに問題はなく、「当社の設備故障に伴う停電が病院の火災を招いた」と判断した。

 ただ、こうしたケースは「今までに聞いたことがない」(同支店)という。故障を起こした機器と電話回線装置は同じ電柱に設置されていたが、数メートルの距離があり、過剰な電流がいつの段階でどのように流れたかは、現時点で分かっていないという。

 停電の原因となった機器は、高圧電力を必要とする建物に接続され、設置数は同支店管内で数千基に及ぶ。同支店では2年ごとに点検し、異常が見つかった段階で改修しているが、今回故障した機器は設置から2年未満だった。

 NTT東日本北海道支店によると、同病院付近の約120世帯では一時、停電に加え、電話回線も使用できなくなった。

 同病院では入院患者が屋外への避難も迫られ、同病院の市山廣樹理事長は「幸い患者にけがはなかったが、誠意ある対応を」と求める。

 同支店はすでに同病院側に賠償する意向も伝えており、「地域に大変迷惑をかけた。真摯(しんし)に対応し、しっかり原因を究明して再発防止に努めたい」としている。

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