国内初 白毛のばん馬が白毛の子出産浦幌の北村さん牧場で
【浦幌】ばんえい十勝の競走馬を生産している北村俊明さん(71)と節子さん(72)夫妻の牧場=浦幌町吉野=で、全身が真っ白な繁殖牝馬ハクバビューティ(4歳)から白毛の牡の子馬が生まれた。日本馬事協会(東京)によると、白毛のばん馬が白毛の馬を出産する例は初めて。北村さん夫妻にとって白毛馬の誕生はハクバビューティに続いて4年ぶり。夫妻は「天から再び授かった“宝物”として大切に育てたい」と喜んでいる。
午(うま)年を祝う純白の子馬が再び誕生した。子馬は19日未明、俊明さんが自宅のモニターで出産の様子を見守る中、当初の予定より2週間ほど早く生まれた。俊明さんは「父親が体の真っ黒な青毛だったので、まさか再び白い子馬が生まれるとは」と驚く。
子馬は全身の毛がまつげまで白く、鼻など皮膚が露出している部分は淡い桜色。体格は良好で、母親に寄り添いながら厩舎(きゅうしゃ)内を元気に駆け回っている。
同協会によると、白毛の馬は突然変異で生まれるという。競走馬として活躍するのはまれで、ばんえい登録馬では2012年にデビューしたハクバビューティただ1頭。同馬は未勝利で2シーズンを終え、昨年6月から北村さんの元で過ごしている。
子馬は早ければ再来年のばんえい競馬の能力検査に挑戦する予定。節子さんは「ゆくゆくは競走馬になって、母が果たせなかった勝利を」と願っている。(小縣大輝)