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被災地遠征でボランティア計画 江陵高野球部

遠征先の福島県で被災地ボランティアを行う野球部。前列右から2人目が渋谷主将、後列右端が西田部長、同左端が谷本監督

 【幕別】江陵高校(鈴木譲二校長、生徒293人)の野球部(渋谷拓巳主将、17人)が3月23日から遠征合宿先の福島県で被災地支援のボランティア活動を計画している。野球部OBでもある西田つばさ部長(25)は「遠征を通じ、野球技術だけでなく、人間力も高めたい」と話している。

 同高が訪問するのは福島県郡山市。同部の谷本献悟監督(33)が、秋季福島県大会優勝校の日大東北高の中村猛安監督と親交があったことから、同高の学生寮を宿泊先として提供してくれることになった。同所を拠点に、同高をはじめ学法石川(福島県石川町)など強豪校と28日まで練習試合に臨む。

 遠征先を福島にしたのは生徒たちに東日本大震災の爪痕を肌で感じてほしかったからという。谷本監督が震災後の2年前、日大東北高を訪れた際、町並みは変わりないのに「これから除染する」の言葉に被害の深刻さを実感したという。

 部員は23日にフェリーで仙台港に到着後、郡山市の阿武隈川河川敷でごみ拾いを半日ほどかけ行う予定。「直接的な復興支援は現在、事業者などが仕事として行っているものが多いと聞き断念。事前調査では、かなりごみが多いと聞いているので、全てなくなるくらい拾いたい」と西田部長。

 また、仙台港からバスで移動の際、宮城県気仙沼など津波で被害があった地域にも立ち寄り、黙とうすることも考えている。22日に学校を出発、29日に帰勝する。

 同高野球部は昨年2月から毎朝、登校しながら地域のごみ拾いを続けており、地域からも注目されている。渋谷主将(2年)は「野球ができる環境に感謝の気持ちを持ち、全力でボランティアや試合に臨む」、佐藤龍馬副主将(同)も「今回の経験を今後、生かせるよう全力を尽くす」と話している。
(佐藤いづみ)

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