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士幌芸能発表会で石巻市の神楽上演

太鼓と笛のリズムに乗った力強い舞で、観客を神話の世界に引き込んだ「雄勝法印神楽」

 【士幌】町文化協会(浪内一洋会長)の第42回芸能発表会が23日、町総合研修センター・ふれあいホールで開かれた。東日本大震災の復興交流支援として、宮城県石巻市の「雄勝法印神楽」保存会(伊藤博夫会長)が勇壮な舞を披露し、集まった町民ら約300人を魅了した。

 町が2012年、復興応援として同市で撮影された映画を上映し義援金を送ったのが縁で、今回、同会を招待した。同市文化協会の西條允敏会長らと同協会メンバー5人が来町した。

 雄勝法印神楽は600年以上の歴史を持つ国指定重要無形文化財で、この日は「日本武尊(やまとたけるのみこと)」を上演。太鼓2人と笛の力強いリズムに乗せ、宝剣を盗んだ魔女と尊が戦う様子を、時に激しく、優美な舞で表現し、大きな拍手を浴びた。

 震災の津波で甚大な被害を受けた同市では、同神楽の道具一式も流失し、一時は伝統芸能存続の危機に立たされたが、多くの支援と保存会の努力で復活。今回来町した会員5人も、うち4人が離れた仮設住宅で暮らしながら、集まって練習を重ねているという。

 舞台あいさつに立った西條会長は「伝統芸能を続けることが、人々の力になると信じて活動している。ホールも壊され、神社も流され、発表する場がなくなっている中、こうして演じることは精神的な支援となる」と招待に感謝した。舞台を終えた伊藤さんは「春や秋の祭りには10演目ほどをやるので、ぜひ地元に来てご覧いただきたい」と話した。

 「人間の喜怒哀楽をそのまま表現している。文化の原点で、そのままの姿で地域に引き継がれているのが素晴らしい」と、町文化協会の吉田静二事務局長。浪内会長は「みんなに感激を与えてもらった。士幌には仙台から入植した人たちがいる。先輩の文化活動に胸を借り、相互交流を進めたい」と話していた。
(小林祐己)

 

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