旬の味覚フノリ漁スタート 広尾
【広尾】広尾沿岸で18日、フノリ漁が始まった。国道336号(黄金道路)沿いの海岸では、押し寄せる冷たい波に耐えながら約200人の漁業者が岩場に付いた旬の味覚を手摘みしている。
広尾の冬の風物詩であるフノリ漁は、熊手などの道具を使わない。このため広尾産フノリは砂などの付着が少なく、高級品として定評がある。みそ汁の具や酢の物として親しまれ、特に生で出荷される走りの時期は、独特の軟らかな歯応えがある。
今年は潮目に恵まれず、例年よりも1週間ほど遅れて着漁。漁業者は籠やざるを片手に岩場に入り、いてつくような冬の波に負けじと踏ん張りながら丁寧にフノリを摘み取っていた。
町美幌で漁に従事した漁業者は「生育は順調で、ちょうどいい大きさ。この時期ならではの味を楽しんで」と話していた。漁は6月ごろまで続く見込み。
広尾漁協女性部(柏原絹子部長)などは毎年6月にフノリ胞子を磯に散布するなど、資源増殖にも努めている。(関根弘貴)