力走、地元後押し 石澤、藤村選手に家族らエール
「よく頑張った」。スピードスケート女子3000メートルが行われた日本時間の9日夜には、藤村祥子選手(音更・宝来中央歯科)の同僚らが帯広市内の飲食店に集まり声援を送り、石澤志穂選手(中札内村出身)の両親は自宅のテレビの前で、再び五輪の舞台に立った娘を見守った。レース終了後は、世界の強豪と堂々と渡り合った両選手の健闘をたたえ、ねぎらいの声が広がった。また、女子アイスホッケー日本代表選手と交流がある浦幌町でも町民が声援を送った。(原山知寿子、宮木宗久、大笹健郎)
「大したもんだ」石澤選手ご両親
○…石澤選手の中札内村の実家では父健二さん(60)と母由美子さん(59)、兄の隼人さん(31)家族や近所の人たち計10人が手作りの旗を手にテレビの前で声援を送った。
金メダルを獲得したイレイン・ブスト選手(オランダ)との同走で、中継では石澤選手の滑る姿がなかなか映らなくなったこともあり、健二さんは自らメモするラップタイムを頼りに観戦した。
健二さんは「金メダル候補を相手に集中力が高く、ペース配分を乱すことなく落ち着いて滑っていた。大したもんだ。ご苦労さんの言葉しかない」と娘をたたえ、前回五輪の15位を大きく上回る9位の結果に「正直驚いた。次の5000メートルにつながる」と喜んだ。
由美子さんは「昨年末の選考会のときに体調を崩していたので心配していた。最悪のことばかり考えて落ち着かなかったのでほっとした」と笑顔を見せた。
2人は5000メートルを現地で応援するため、16日に出発する。
藤村選手に声援「よく頑張った」 宝来中央歯科院長ら
○…市内の飲食店「チェルシー」には午後7時半から、宝来中央歯科の田中義博院長(56)やスタッフ、寺山憲二町長など音更町内の関係者約40人が集合。日の丸の小旗を手に声援を送った。同8時半過ぎ、1組目で藤村選手がスタートすると、「行け行け藤村」と大声援が飛んだ。
1周ごとのラップタイムが表示されるたびに「もうひと踏ん張り」の声も。ゴールすると拍手が沸き起こり、後続の組のレースを見守った。藤村選手と同じく同歯科の受付を担当する福田理恵さん(36)は「滑っているところを初めて見たが、かっこよかった」と同僚をたたえた。
田中院長は7日、現地の藤村選手から「調子がいい」とメールを受けていた。「初の五輪で、最初の組の滑走、地元のロシア選手と同走と、プレッシャーは相当だったと思うが、よく頑張った」と感無量の様子。「得意の5000メートルでは、よりいい走りを見せてくれるはず」とさらなる期待を寄せた。
浦幌とゆかりの「スマイル」応援
○…道の駅うらほろでは午後4時半から女子アイスホッケー日本代表「スマイル・ジャパン」のパブリックビューイング(同直売会主催)が行われ、浦幌アイスホッケー少年団の選手ら約30人が声援を送った。
同町で行われている町長杯東北海道女子大会には例年、女子アイスホッケー日本代表「スマイル・ジャパン」の代表選手が多数出場しており、竹内愛奈選手(22)=Daishin所属、道教育大釧路校4年=は同町内で農家民泊を体験するなど少年団員らには身近な存在だ。同少年団の佐藤愛梨前主将(浦幌小6年)は「負けたのは残念だが、相手へプレッシャーをかけるのが早く勉強になった。私もスマイルジャパンを目指して頑張る」と話していた。