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白樺4強入り、清水は優勝候補破る大金星 冬季インターハイ

【準々決勝・白樺学園-武相】白樺学園は第2ピリオド18分41秒、桶屋樹生(左)のパスを輪島颯人(右)が決め3-0とし、チームに勢いをもたらす

 【青森県八戸市・三沢市】第63回全国高校スケート・アイスホッケー選手権大会(インターハイ、全国高体連など主催)第3日は23日、青森県八戸市のテクノルアイスパーク新井田などで3競技を行った。午前9時からのアイスホッケー準々決勝で、白樺学園は武相(神奈川)に7-0と快勝、ベスト4入りを決めた。第2日の22日は、2回戦で清水が大会優勝候補の駒大苫小牧と激突、サドンデス方式の延長戦の末、大下涼(2年)のゴールで5-4で競り勝つ金星を挙げた。清水は23日の準々決勝で埼玉栄と対戦した。

 スピードスケートは22日の女子3000メートルで酒井寧子(帯南商3年)が初制覇した。原田梨央(白樺学園3年)は3位。男子1000メートルは山田将矢(池田2年)が2位、角井俊洋(帯南商3年)は3位入賞を果たした。優勝はウィリアムソン師円(山形中央3年)23日は男子1万メートルを実施した。

 フィギュアは22日、女子B組の53人がショートプログラム(SP)を行い、3年連続のフリー進出を狙う川平咲良(帯三条3年)は42・32点の8位、玉田夏菜(帯緑陽2年)が10位に付け、3組に分かれて行われているSP上位24人による24日のフリー進出に可能性を残した。花本依里香(帯北2年)は28位だった。23日はC組の藤田真佑(白樺学園3年)と斉藤由姫(同1年)がSPに臨んだ。(北雅貴、折原徹也)

<アイスホッケー>
速い展開に対応鮮やかに2得点
白樺学園・輪島

 ○…1年生の輪島颯人がはつらつとした動きで2得点を挙げた。湊谷匡晃監督は「ゴールへ向かう姿勢が結果に出た」と高く評価した。

 第2ピリオドに挙げた1点目は高橋瞬(2年)のシュートのリバウンドを桶屋樹生(3年)がダイレクトで輪島にパス。流れるような速い展開にも「いつでも打てるように構えていた」と話す輪島が、鮮やかにたたき込んだ。

 速い攻撃と堅実な守りに憧れて苫小牧青翔中から白樺学園に入学。当初は先輩のスピードについていけなかったが、第3セットのFWとして出場を重ねるに連れて、少しずつ対応できるようになった。

 小学1年から始めたアイスホッケーで、初の全国大会にも緊張はない。この日も160センチと小柄ながら、積極的な走りとシュートで勝利に貢献した。輪島は「次の試合も自分の持ち味を出したい」と力を込めた。

【2回戦・清水-駒大苫小牧】延長の末に強敵の駒大苫小牧を破り、歓喜の輪をつくる清水の選手

「気持ちで決めた」決勝弾
清水・大下

 ゴール前の混戦から劇的な決勝点を挙げた清水の大下涼を目掛けて仲間が押し寄せる。リンク上で、まるで優勝したかのような歓喜の輪が広がった。ジャイアントキリング(大番狂わせ)を清水が演じた。全道王者の駒大苫小牧を破った今季公式戦11勝目は大きな価値を持った。もみくちゃにされた大下は「最後は技術うんぬんでなくて気持ちで決めた」と喜んだ。

 初戦で動きにやや硬さの見える駒大苫小牧に対し、清水は序盤でリズムをつかんだ。反則で1人少ないキルプレーから松本昂大(2年)がフォアチェックからパックを奪いシュート。相手GKに当たり空中に浮いたところを鈴木大貴(同)がたたき込んで先制した。

 今季は清水町長杯を含めて駒大苫小牧に3戦3敗。試合前に高橋仙人監督は「(相手の)ユニホームを見てのまれるな」と励ました。DFの木下圭主将(3年)や飯島滉(同)は攻守に体を張った。飯島はパワーを生かした強烈なシュートで2点目を挙げ、木下主将は決勝点の起点となった。

 全員が高い集中力を維持した。4-4で同点の第3ピリオド終盤は駒大苫小牧の猛攻で自陣でくぎづけに。スライディングで体を投げ出しシュートを防ぎ、GK船越紘生(2年)も踏ん張った。木下主将は「チーム一丸となれた。気持ちの入ったプレーができた」と胸を張った。

 清水にとって八戸のリンクと駒大苫小牧には因縁がある。同会場で行われた2005年のインターハイ決勝は駒大苫小牧に残り19秒で同点にされ、同1秒で逆転弾を許し初優勝を逃した。9年越しの悪夢はひとまず振り払ったが、強豪を撃破して頂点を目指す戦いは続く。高橋監督は「1つの階段を上がっただけ。次の試合で勝てる保証は何もない」と選手を引き締め、準々決勝の埼玉栄戦に臨んだ。

▽準々決勝(23日)
白樺学園 7(1-0 3-0 3-0)0 武相(神奈川)

▽得点者
【白】
(1)坂井(1P12分53秒)
(2)桂川→平野(2P2分11秒)
(3)高橋瞬→桶屋→輪島(2P18分41秒)
(4)石田→輪島(2P18分48秒)
(5)志賀→鈴木(3P3分51秒)
(6)石田→阿部(3P13分4秒)
(7)坂井→桂川→古川(3P17分56秒)
▽反則
【白】4(志賀、長原、古川、平野)
【武】3(廣瀬、梶野、金谷)
▽シュート数
【白】54(18、21、15)
【武】8(3、2、3)


▽2回戦(22日)
白樺学園 7(3-2 3-0 1-2)4 北海

▽得点者
【白】
(1)高橋瞬→平野(1P9分58秒)
(2)阿部→輪島(1P10分12秒)
(3)桂川→古川→三田村(1P16分59秒)
(4)平野→蓑島→渡邉(2P6分5秒)
(5)阿部→鈴木→志賀(2P13分20秒)
(6)平野→古川→志賀(2P15分1秒)
(7)坂井→高橋瞬→桶屋(3P18分5秒)
【北】
(1)館山→佐藤優(1P4分54秒)
(2)岩崎→佐藤優→高橋雄(1P14分7秒)
(3)岩崎→館山→船越(3P4分46秒)
(4)池田→吉岡(3P15分2秒)
▽反則
【白】6(志賀2、古川、桂川、坂井、渡邉)
【北】6(岩崎3、佐藤優、越後谷、船越)
▽シュート数
【白】60(21、21、18)
【北】19(8、5、6)


清水 5(2-2 1-1 1-1 延長 1-0)4 駒大苫小牧

▽得点者
【清】
(1)松本昂→鈴木(1P3分28秒)
(2)大下→飯島(1P7分34秒)
(3)榛澤→鈴木→松本昂(2P19分5秒)
(4)高橋→岩沢(3P8分49秒)
(5)大下(延長3分23秒)
【駒】
(1)入倉→寺尾(1P4分20秒)
(2)脇本→中島(1P7分46秒)
(3)川上→脇本(2P2分22秒)
(4)寺尾→新井→安田(3P10分18秒)
▽反則
【清】3(小山田、高橋、飯島)
【駒】6(稲村2、中島、入倉、川上、チーム)
▽シュート数
【清】26(6、11、5、4)
【駒】53(18、17、14、4)


武相 5-1 八戸学院光星
苫小牧工 10-0 八戸商
武修館 3-2 八戸工大一
日光明峰 13-1 関大一
苫小牧東 10-1 盛岡中央
埼玉栄 4-1 軽井沢




【女子3000メートル】酒井寧々は2位に4秒近くの大差をつけ圧勝した

<スピードスケート>
酒井、屋外リンク特訓の成果で倍返し勝利

 酒井寧子は2位の佐藤綾乃(釧路北陽2年)に4秒近く差を付ける完勝だった。

 同走となった佐藤には10日前の苫小牧でのジュニアワールドカップで2秒余りの差で敗れ、今季唯一3000メートルで同じ高校生に黒星を喫した。佐藤を追う形で前半の600メートルを予定より速いペースで通過、「後半はスタミナが持つかな」と不安も一瞬頭をよぎったが、1800メートルで佐藤を逆転し、後はラップを大きく落とさずに独走状態となった。スタミナを生かした最後まで崩れない安定した滑りで悔しい気持ちを“倍返し”した。

 屋外リンクは寒くて風が強く、体重の軽い酒井は苦手意識を持っている。今大会の対策として15、16の両日に士幌の屋外町営リンクで体を慣らした。酒井は「偶然、風の強い日だったので良い練習になった」と振り返る。この日はバックストレートで向かい風を感じたが、いつもよりは気にならなかったという。

 先に行われた女子1000メートルでは、幼なじみで小学校からのチームメートの太田凪砂の優勝も大きな力になった。春からは酒井は高崎健大、太田が信州大と初めて違うチームに所属する。高校生最後の大きな舞台で共に日本一となり喜んでいた。

山田、ウイリアムソンの滑りに感心
 ○…強い精神力を持つ山田将矢も、前の組のウィリアムソン師円の好タイムに緊張を強いられた。「焦ってしまった。大きい滑りで前に進むタイプなのに、全体的にバタバタして伸びを欠いた」とつぶやいた。

 出場選手の中で1分15秒台は2人だけだが0秒67の差をつけられ、後半もラップの落ちないウィリアムソンの滑りに感心した。

 山田は4年後と8年後の五輪出場を目指す。今年は全日本距離別選手権などシニアのトップと戦う機会が増えたこともきっかけだ。「どんな状況でも自分の滑りができている。自分もそういう選手になりたい」と成長を誓っていた。

角井、高校最後に表彰台「我慢も覚えた」
 ○…「高校では全道や全国で表彰台に上がったことがなかったのに…。自分でも正直、驚いている」。前日の500メートルに続く3位に角井俊洋は目を丸くした。

 同走の山田将矢に食らいついた。コーナーでの出口のピッチを落とさないように気を付けた。応援に駆け付けた母や祖父母、叔母の前でベストの滑りを見せた。

 実家は帯広市内で畑作農業を営む。後継者になるため、スケートは高校で一区切りを付ける。けがに苦しんだ時期もあったが、最後に素晴らしい結果を残した。「諦めずに練習してきて良かった。我慢も覚えた」としみじみと振り返った。

原田梨央

全て出し尽くした
女子3000メートル3位・原田梨央の話

 内容に満足している。最後の直線で同走に抜かれそうになったが、絶対に負けたくないと意地だけで滑った。最後のインターハイなので悔いだけは残したくなかった。全て出し尽くした感じ。

ソチ五輪へ自信に
男子1000メートル優勝・ウィリアムソン師円の話

 1000メートルはぶっつけ本番だったので優勝は考えていなかった。年明けから調子が上がらず、(5000メートルで出場する)ソチ五輪に向けてインターハイで取り戻したかった。自信になった。

(22日・7位以下関係分)
【男子】
◇1000メートル
日本高校記録 加藤 条治(山形中央)1分10秒67
大会記録   藤野 裕人(標茶)1分11秒92

(1)ウィリアムソン師円(山形中央)1分15秒28
(2)山田 将矢(池田)1・15・95
(3)中村 隼人(駒大苫小牧)1・16・41
(3)角井 俊洋(帯南商)1・16・41
(5)石川 将之(山梨・北杜)1・16・71
(6)松井 友汰(池田)1・16・83
(10)渡邊勇人(白樺学園)1・18・28
(12)久保廉(帯三条)1・18・53
(13)小原憂雅(帯南商)1・18・62
(15)辻本一史(帯農)1・19・30
(16)横山碧生(山形中央-池田中出)1・19・46
(19)佐々木奨之(白樺学園)1・20・44
(23)松本惇矢(帯農)1・20・75
(24)町光二郎(帯柏葉)1・20・86
(29)下坂明彦(帯三条)1・21・97
(36)水野正也(芽室)1・23・04
(40)松井大和(鹿追)1・23・76
(43)堀川尊広(芽室)1・24・12
(69)長崎翔(帯工)1・34・36

【女子】
◇3000メートル(カルテット)
日本高校記録 石野枝里子(白樺学園)4分9秒26
大会記録   高山 梨沙(駒大苫小牧)4分19秒24

(1)酒井 寧子(帯南商)4分32秒75
(2)佐藤 綾乃(釧路北陽)4・36・48
(3)原田 梨央(白樺学園)4・36・66
(4)亀井萌々野(山梨・帝京第三)4・36・70
(5)原  和穂(長野・佐久長聖)4・38・68
(6)古庄 亜衣(駒大苫小牧)4・38・90
(7)小野寺優奈(帯南商)4・39・99
(11)蓑田結依(白樺学園)4・47・25
(12)桑原彩奈(池田)4・51・13
(16)嶋宮茉佑子(帯三条)4・57・58
(21)松浦純奈(同)5・0・47
(22)川上琴子(帯農)5・0・49
(25)山澤清楓(池田)5・3・71
(35)増田愛理(帯工)5・33・53
(36)森本里穂(帯農)5・34・44




【予選B・SP】高さのあるジャンプを武器に8位となった川平咲良

<フィギュアスケート>
川平、完成度高いジャンプ「できることはやった」
 ○…3年連続の決勝進出を目指す川平咲良(帯三条3年)はSPで42・32点をマークし、予選B組の8位と健闘した。演技は完成度の高いジャンプなど随所で持ち味を発揮。「できることはやった」と、ほっとした表情を見せた。

 川平は、映画「タイタニック」の主題歌「ジュピター」の幻想的な雰囲気を全身で表現。ゆったりした曲調に乗り、キレのある演技を披露した。振り付けを指導した田守理那コーチが見守る中、難易度の高いトリプルトーループを含め、4つあるジャンプを全て成功させる成長も見せた。

 「最後のインターハイ。結果を出し、今後のステップにしたい」と挑んだ川平は、大学進学後も競技を続ける。まずは「海外での大会を経験したい」と夢を語った。


(22日・上位3人と関係分)
【女子】
◇ショートプログラム
▽B組

(1)木原万莉子(京都・同志社)55・15
(2)加藤利緒菜(大阪・長尾谷)54・48
(3)小槙香穂(岡山・就実)48・71
(8)川平咲良(帯三条)42・32
(10)玉田夏菜(帯緑陽)41・24
(28)花本依里香(帯北)32・06

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