バイオマス利用へベトナム入り 帯広のリサーチ社
ベトナムでバイオマス(生物資源)を活用したエネルギー供給や有機農業の提案に乗り出したバイオマスリサーチアジア(帯広、菊池貞雄社長)のスタッフが、6日から現地入りしている。大学・研究機関や現地企業に対し、家畜のふん尿や食品廃棄物を投入するバイオガスプラントなどの技術を紹介。現地の状況に合わせたバイオマスの利用に向け、共同研究を視野に入れて協議している。
同社は昨年10月に設立。バイオマス利用を調査・計画する帯広畜産大発のベンチャー企業・北海道バイオマスリサーチ(同、同社長)など国内5社・団体で構成している。
設立直後の11月にはスタッフがベトナムを訪れ、酪農やエネルギーの現状を調査。ベトナムでは電力供給が不安定な一方、家畜のふん尿が有効に利用されていなかったり、急激な経済発展による廃棄物増加が課題となったりしているという。
今回は同社の竹内良曜取締役が10日まで首都ハノイやホーチミンに滞在している。前回訪問した研究機関や乳業メーカーなどに対し、バイオガスプラントなどのバイオマス利用の技術を紹介。「複数の案件について、共同研究の構想を提案し、研究テーマや推進体制について協議している」(竹内取締役)という。
同社は今春、ベトナムの政府機関などと協力して現地でシンポジウムを開催する予定。菊池社長は「現地の課題に対し、バイオマス利用の視点で解決策を示す場にしたい」と話している。(深津慶太)