十勝毎日新聞 電子版

Tokachi Mainichi News Web

再就職は…不安な年の瀬  札幌パリ帯広工場解雇の220人

求職登録に訪れ、担当者から就職活動の進め方などの説明を受ける従業員(26日午前10時半ごろ、帯広職業安定所で)

 11月に火災で全焼した札幌パリ帯広工場で、来年1月15日付で解雇されることになった全従業員の3分の2に当たる約220人の従業員から「再就職先が見つかるか」などと不安の声が広がっている。同社は工場再開と元従業員の優先雇用を示しているが、具体的な再開時期は不明。新たな職を探す従業員も希望する職種に就けるかどうか、不安を募らせながら年の瀬を迎えている。

 帯広職業安定所(玉置靖所長)によると、26日正午現在、帯職安のほか、ハローワークしごとプラザ帯広、ハローワーク池田で従業員計45人が求職登録をした。24日に帯広職安が離職予定者を対象にした説明会を同工場で開き、雇用保険の仕組みや就職活動の進め方などを説明。4回で計155人が参加した。

 一方、会社側は「早期の帯広工場の再建を目指し、会社都合退職した従業員を優先的に雇用する」と説明している。ただ、工場再建の具体的な時期は未定。約100人の雇用は維持する考えだが、勤務先は管外の系列製造現場で、自宅が帯広にあるなどの理由で応じられない従業員も多いという。

 対象者のうち正社員は約40人。パート従業員は約180人。25日に帯広職安に求職登録に訪れた勤務歴10年以上のパート従業員の50代女性(帯広)は「大手コンビニ向けの製造ラインを担当していた。まさか仕事がなくなるとは思わなかった」と驚きを隠せない。次の仕事を探すが、「年齢が年齢なので見つかるかどうか。夫と共働きで、家のローンがあと数年残っているので…」と不安を語る。

 また、パートとして働いていた40代女性(音更)は「職場は従業員同士の仲が良く、長く勤めたい思っていたただけに残念」とこぼす。「自宅から通勤しやすいなど条件に合う仕事が見つかるか。職がないまま新年を迎えるのは気分が落ち着かない」と心配する。

 帯広職安は来年1月20日に帯広高等技術専門学院で、十勝総合振興局、帯広市、帯広労働基準監督署など6機関合同の「特別相談会」を開く。離職者を対象に、就職相談以外の生活全般に関する疑問にも応じ、全面的な支援を行う考えだ。玉置所長は「離職者が希望の職種に就職できるよう、企業を回って採用要請に努めていく」と話している。

 200人規模という過去に例のない大量離職に、薄日が差し始めた管内景気への影響を懸念する声も出ている。管内金融関係者の1人は「回復基調にある個人消費の減退は避けられない。離職者が一日も早く再就職できるよう、行政や民間事業所など地域を挙げて支援していく必要がある」と指摘している。
(高津祐也、長田純一)

 

更新情報

荒川笑舞(帯北高1年)アジア女王、レスリングU15アジア選手権V 初の国際大会で栄冠

紙面イメージ

紙面イメージ

7.28(日)の紙面

ダウンロード一括(76MB) WEBビューア新機能・操作性UP

日別記事一覧

前の月 2024年7月
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

十勝の市町村

Facebookページ

記事アクセスランキング

  • 昨日
  • 週間
  • 月間

十勝毎日新聞電子版HOME