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東北海道日野の田村整備士 ダカールラリーに挑戦

「クラス5連覇、総合上位入賞に貢献したい」と意気込む田村さん

 世界一過酷なモータースポーツと称される「ダカールラリー」(通称パリダカ、来年1月)に、東北海道日野自動車帯広支店の整備士田村博明さん(39)が、「日野チームスガワラ」のメカニックとして参戦する。東北海道日野自動車の整備士が同ラリーに参戦するのは初めて。田村さんは全国の整備士が憧れる夢の舞台を目前に、「20年間培ってきたことを全て出し切ってくる」と健闘を誓う。

 日野自動車は1991年からトラック部門で参戦を続け、22年連続で完走している。中型車ベースのマシンで、排気量が倍以上ある欧州勢の中で健闘。97年には部門総合1~3位独占という快挙を成し遂げている。排気量10リットル未満クラスでは4連覇中。同社ではグループの結束力やサービス技術、モチベーションの向上を目的に、全国の販売会社から整備士を公募し、同ラリーに送り出している。

 田村さんは清水町出身。清水高校卒業後、東北海道日野自動車に入社し、整備の腕を磨いてきた。ラリーメカニックの応募条件でもある日野自動車独自の資格であるHS1(日野サービスメカニック1級)を2008年に取得したが、「ダカールはテレビの中の話で、自分が行ける場所ではないと思っていた」。

 今年、30代最後での挑戦を上司に勧められ、「チャレンジしないと後悔が残る」と考え、初めて応募した。日野本社で行われた選考会では、レースで求められるチームワークやコミュニケーション能力などを審査された。合格を知ったときは「素直にうれしかったが、実感はなかった」という。

 9月から本社で2カ月にわたり、レーシングトラックを最初から組み立てるところから訓練を積んだ。「走行テストで自分たちで作った車が走るところを見て、ラリーに参加するんだという実感が初めて湧いた」。

 チームは2台体制で、ドライバー、ナビゲーター各2人、メカニック5人、エンジニア1人の計10人と少数精鋭。販売店のメカニックは田村さんを含め3人だけ。田村さんは、日本を代表するラリードライバーで、チームを率いる菅原義正さん(72)の1号車を専属で担当する。菅原さんは同ラリーに30回連続出場中、20回連続完走という記録を持つ。田村さんは「絶対に車を止めるわけにはいかない。ドライバーが安心して気持ちよく走れるよう、完璧に整備したい」と話す。

 同社帯広支店の鹿嶋彰支店長は「若い整備士が後に続きたいと思うような活躍を」と期待している。
(丹羽恭太)

 ダカールラリー 1979年に始まったラリー競技の一種。砂漠などの不整地を含む最長1万キロにも及ぶコースを、2週間かけて走る。長年、アフリカを舞台に行われてきたが、治安悪化を受けて2009年から南米開催に。14年大会は1月5日にアルゼンチンをスタートし、標高4000メートル級のアンデス山脈越えや砂漠地帯などを経て、同18日にチリでゴール。二輪、四輪、バギー、トラックの4部門があり、今年は計438台(うちトラック71台)がエントリーしている。

関連写真

  • 2013年大会で砂漠を疾走する日野チームスガワラのトラック(日野自動車提供)

    2013年大会で砂漠を疾走する日野チームスガワラのトラック(日野自動車提供)

  • 日野チームスガワラのメンバー。前列右から3人目が田村さん(日野自動車提供)

    日野チームスガワラのメンバー。前列右から3人目が田村さん(日野自動車提供)

  • 2013年大会で砂漠を疾走する日野チームスガワラのトラック(日野自動車提供)

    2013年大会で砂漠を疾走する日野チームスガワラのトラック(日野自動車提供)

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