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暗室レンタルひそかな人気 「帯広現像部」

現像に必要な資機材がそろう暗室。引き伸ばし機は齊藤さんのこだわりで、50~60年前のドイツ・ライツ(ライカ)社製機材を導入

 全道的にも珍しい貸し暗室「帯広現像部」(帯広市西1南3、はなみずき鍼灸整骨院2階)が、ひそかに注目を集めている。週末になると、現像に使う酢酸のにおいが充満した暗闇での至福のひとときを求めて、フィルム写真愛好家が次々に訪れる。

 帯広現像部は同整骨院を経営する齊藤陽介さん(39)が、趣味が高じて9月にオープンさせた。暗室1室にモノクロ写真を現像・プリントするための薬品、機材がそろっている。

 齊藤さんがフィルム写真を始めたのは3年ほど前。学生時代の恩師の形見分けで、1台のフィルムカメラを譲り受けたのがきっかけ。カメラに限らず古い物が好きだという齊藤さんは、骨董(こっとう)として飾っておくことも考えたが、使わないともったいないという知人の勧めで撮影してみた。初めての1枚は恩師の墓前での2ショット。「恩師もこのファインダーをのぞいていたのかと思うと感慨深かった」と振り返る。

 以来、古いフィルムカメラを集め、お気に入りの1台で撮影する楽しさにはまった。やがて暗室が欲しくなり、整骨院2階の空き部屋を改装。当初は写真仲間で共用していたが、口コミで評判が広がり、9月に一般への貸し出しを始めた。かつてフィルムに親しんだ世代から、20代のデジタル世代まで幅広い利用があるという。

 齊藤さんは「自分で現像、プリントしてみると本当に感動する。印画紙にぼーっと像が浮き出てくるのを見るとたまらない」と暗室作業の楽しさを語り、「デジタルカメラももちろん便利でいいけれど、撮ったその場で確認して、失敗していたら削除というのはどこか殺伐としている。手間をかけて自分で写真にする満足感を多くの人に味わってほしい」と話す。

 営業時間は午前9時~午後8時。不定休。利用料は2時間1500円(延長は1時間ごとに500円)。基本的な作業手順は無料で教えてもらえる。申し込み、問い合わせは帯広現像部(0155・66・4255)へ。

 15日正午~午後5時には暗室体験会を開く。現像済みフィルムを持ち込むと無料でプリント作業を体験できる。(丹羽恭太)

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