「唯一のチーズ店 ゼンキュウ・ファーム」 まちマイ広尾編
広尾町で唯一チーズを製造・販売しているZENKYUFARM(ゼンキュウ・ファーム、久保善久代表、町トヨイベツ47)は、全ての製造過程を家族経営で担いながら、搾りたての牛乳を大切に熟成する。一度口にすると忘れられなくなる味わいは、管外にもファンが多い。
久保代表(59)は宮崎大を卒業後、1980年に現在地で就農。その後、帯畜大を卒業した愛知県出身の悦子さん(53)と出会い結婚した。現在は搾乳牛としてホルスタインとジャージー種を約40頭飼育し、年間300トンの牛乳を生産している。
1995年に、フランス南西部のサボア地方を訪れたことがチーズ作りにも関係しているという。各村には大抵1件のチーズ屋があり「地元の人と一緒にチーズを食べたい」と情熱が込み上げ、2年後の97年に工房をオープンした。
チーズの原料となる牛乳は年間約2トンを使用。青草をいっぱい食べた春のチーズは黄色くあっさり、脂肪も少ない。牛が妊娠した冬のチーズは、濃厚でクリーミーな味わいがあるという。「チーズにも季節の味わいがあるし、熟成期間で味も変わる。お客さんと直接話して手渡ししたい」と悦子さん。
チーズはプレーンとキャラウェイ(ハーブ入り)。100グラム420円の量り売り。営業は毎週土、日曜午前11時~午後3時。豊似市街から天馬街道を13キロ。問い合わせは(01558・5・2158)へ。
(小寺泰介)