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ペレニアルライグラス新品種「SW Birger」

道総研 酪農試験場天北支場 地域技術グループ

1.試験のねらい
 ペレニアルライグラスは乳牛の嗜好性および飼料品質に優れ、再生力が旺盛なことから、放牧向け草種として、重要なイネ科草種である。道東の土壌凍結地帯においては、安定栽培が難しいことから、栽培の推奨は多雪地帯に限定されている。多雪地帯である道北および道央で「SW Birger」は下記に示す成果を示したことから、その成績をとりまとめた。

2.試験の方法
 育成者はスウェーデンのLantmannen社(ラントメンネン社)であり、ホクレン農業協同組合連合会が導入した。2017~2019年にホクレン長沼研究農場で場外予備検定試験を実施し、有望と思われたことから、2021~2023年に道内2場所において品種比較試験を実施した。試験は多回刈については、酪農試天北支場と北農研で行い、兼用利用については北農研で行った。

3.成果の概要
 栽培適地は道北、道央および道南。長所は兼用利用(1番草を採草利用し、その後放牧を模した多回刈)で収量性に優れる。
 主要な特性を標準品種「ポコロ」と比較すると次のとおり。
1)早晩性:出穂始が標準品種と同日で“晩生”に属する(表4)。
2)越冬性:越冬性は並(表1、4)。早春の草勢は並である(表1)。
3)収量性:3カ年(1-3年目)合計、2カ年(播種後2、3年目)合計の乾物収量は、いずれも同程度である(表2)。年次別の合計乾物収量は、1年目が多い傾向にあるが、2年目はやや多いもしくは同程度、3年目はやや少ないか同程度である。季節別の乾物収量はいずれも同程度である(表3)。
4)永続性:2年目収量に対する3年目収量の指数は同程度である(表1)。秋の被度は同程度である。
5)耐病性:2つの雪腐病罹病程度は同程度であった(表1)。兼用利用における、夏斑点病の罹病程度は低い(表4)。
6)草丈:同程度である(表1)。
7)秋の草勢:同程度である(表1)。
8)兼用利用適性:1番草および再生草ともに収量はやや多い(表4)。

4.留意点
 主として放牧で利用する。1番草を採草し、その後放牧する兼用利用も可能である。
 土壌凍結地帯での栽培は避ける。






詳しい内容については下記にお問い合わせください
道総研 酪農試験場天北支場 地域技術グループ 井内浩幸
電話 01634-2-2111(内33) FAX 01634-2-4686
E-mail iuti-hiroyuki@hro.or.jp

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