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とうもろこし(サイレージ用)「KD082ゲルセミ」

道総研畜産試験場 畜産研究部 飼料生産技術グループ

1.試験のねらい
 とうもろこしサイレージは、高栄養自給粗飼料として高く評価されている。輸入穀物価格の上昇が著しい近年の情勢に対応し、飼料自給率の向上を図る必要があることから、その重要性は増している。良質なサイレージ原料を確保するためには、各栽培地帯において安定した生産性を発揮できることが重要であり、品種比較試験を行い、優良品種を選定する。

2.試験の方法
 とうもろこし(サイレージ用)「KD082ゲルセミ」は、クラインワンツレーベン育種株式会社(ドイツ)が3系交配((デント×デント)×フリント)により育成した一代雑種品種である。カネコ種苗株式会社が2018年に導入し、品種比較予備検定試験を行った。有望性が認められたことから2021年-2023年に畜産試験場(新得町)、北見農業試験場(訓子府町)、酪農試験場(中標津町)および酪農試験場天北支場(浜頓別町)において品種比較試験を行った。また、2022年-2023年に鹿追町および遠軽町において、同現地試験を行った。さらに、北海道農業研究センター(札幌市)において、2021-2023年にすす紋病抵抗性に関する特性検定試験、2021年にごま葉枯病抵抗性に関する特性検定試験をそれぞれ行った。

3.成果の概要(標準品種「KD320」との比較)
1)早晩性:絹糸抽出期は農試平均で1日遅く、収穫時熟度は並である(表1)。雌穂乾物率は低く、総体乾物率は並である(表2)。北海道統一RMは総体84、雌穂88で、早晩性は“早生”に属する。
2)耐倒伏性:並である(表1)。
3)発芽・初期生育:発芽期は1日早く、初期生育はやや優れる(表1)。
4)収量性・乾物特性:乾物総重、推定TDN収量は農試平均で同程度かやや多く、現地平均で多い(表2)。総じて、乾物総重、推定TDN収量はやや多い。乾雌穂重割合は高く、乾物中推定TDN割合は並である(表2)。
5)形態特性:稈長および着雌穂高は高い(表1)。
6)耐病性:特性検定試験におけるすす紋病抵抗性は“極強”である(表3)。圃場試験におけるすす紋病罹病程度は同程度かやや低い(表1)。圃場試験におけるごま葉枯病罹病程度はやや高い(表1)。根腐病病徴、黒穂病の発生が認められた(表1)。赤カビ病発生個体率が高かったものの、発生年の畜試、鹿追町では一穂あたり1-2粒程度、北見農試では一穂あたり直径2.5cm程度と、その発生程度は軽微であった(表1)。

4.留意点
 なし。





詳しい内容については下記にお問い合わせください
道総研畜産試験場 畜産研究部 飼料生産技術グループ
電話 0156-64-0621 FAX 0156-64-6151
E-mail kon-akihito@hro.or.jp

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