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ヤマト木巧120周年 初心を忘れず技術高める【先読み新年号】

大和与志一社長(61)
 住宅で使われる引き戸やテーブル、店舗のカウンターからパン屋の看板まで。木製建具、家具のプロフェッショナルとして丁寧な仕事で信頼をつかみ、創業120年の節目を迎えた。

 富山県から移住した故大和権三郎氏が、1904年に市内で創業。住宅に建具がまだ少なかった時代だが、財力のある農家を相手に商売を続けた。昭和の大恐慌期は官公庁の仕事を受注して乗り切った。

 もともと技術革新に積極的で、29年に市内で初めて作業機械を導入。現在もコンピュータ制御の機械や、レーザー彫刻のマシンを駆使する。現社名となったのは92年。「木の巧」を冠した社名は大和与志一社長(61)=当時常務=が考案した。

 現在の取引先は工務店。依頼を受け、店舗や事務所などの建具、家具を製作する。一般住宅の障子やふすま、木製建具の需要は減っているが、家づくりにこだわる需要は少なくなく、既製品がない場合などに発注がある。ホームページには多くの製品例を掲載し、「家具の塗り直しや脚を高くしてほしいなど、直接の依頼もある」(大和社長)。

 社員は11人で、うち職人は8人。幅広いスキルを身に付けるため、製作から取り付けまで1人の担当者が完結させる。現場に入ってから製品の調整が必要になることもあり、大和社長は「いかに臨機応変に対応できるかが大事」と話す。

 「初心と感謝を忘れず、おごることなく歩みたい」と大和社長。次代を担う長男・直樹専務(36)は「伝統を受け継ぎつつ、生き残っていくためにどうするべきかを模索したい」と先を見据える。


ヤマト木巧120周年 大和与志一社長



権三郎氏が製作した神棚。現在も事務所に飾られている

■沿革■
1904年 市内西3南3に大和建具家具製作所を創業
  29年 市内木工業で初めて作業機械を導入
  48年 大和家具店設立
  50年 大通に店舗を新築
  75年 製品センター落成
  92年 大和家具店を分社、ヤマト木巧設立
  97年 現本社を新築、移転
  98年 5代目の大和与志一社長就任
2014年 工場屋根に太陽光パネルを搭載
  20年 工場内の照明をすべてLED(発光ダイオード)化

■概要■
本社  帯広市西24北2ノ5
資本金 1000万円
従業員 11人
年商  約1億円

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