元新得町長 佐々木忠利さん死去 90歳
【新得】1973年から新得町長を5期20年務めた佐々木忠利さんが13日、療養中のところ死去した。90歳だった。
32年新得町出身。新得高校卒。47年に町役場入りし、69年に自治大学を修了。73年の町長選で初当選した。
町長在任中の78年、町から無償貸与された通称・牛乳山(旧新得町営牧場)に共働学舎新得農場(宮嶋望代表)が開設した。佐々木さんから声を掛けられて新得に開いた宮嶋さんは、「人間的に心豊かで先を見ていた。新得農場を開く前、当時の福祉制度やシステムにとらわれることなく、誰もが住んでいける環境をつくってくれと話していた。感謝の言葉しかない」と語った。
国鉄民営化の影響で、町内での新たな産業育成が課題に。世界でリゾート施設を展開するクラブメッドの誘致に尽力し、87年に国内では初めてオープンした。
98年から2010年まで町内の社会福祉法人厚生協会理事長を務め、障害者らの福祉向上に力を注いだ。
文化の分野でも活躍した。1998年から12年間、郷土民謡「十勝小唄」の振興保存会長を務めた。町長在任中の76年には、期成会が十勝小唄歌碑を狩勝峠展望台に建立。町民文芸には創作小説を投稿していた。
浜田正利町長は「73年に役場職員となって以来、大先輩として今日まで指導いただいたことに感謝する」と話している。
通夜は14日午後7時から、葬儀は15日午前11時から、いずれも新得はなや葬祭ホール(新得町新得西1線35)で行われる。喪主は長男の佐々木研さん。葬儀委員長は田中雅之さん(厚生協会理事長)。(平田幸嗣)