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自慢のまなびや(広野小、川西小、大空小、愛国小、大正小、清川小) まちマイ大空・農村エリア編

笛舞小の友だちを迎える準備をする広野小の児童ら

■えりもと交流半世紀-広野小学校
 十勝平野にある帯広広野小学校(中山江里子校長、児童36人)は、「海辺の町」にあるえりも町・笛舞小学校との交流学習会を半世紀にわたって続けている。

 両校の児童が毎年、広野町とえりも町に行ったり来たり。互いのことを知り、友だちになる楽しいイベント。広野小から贈られた大漁旗は校内に飾られ、みんなの宝物になっている。

 始まりは、吉村博元帯広市長(故人)が在任中に海辺で釣りをしていて、えりも町の人と出会って意気投合したこと。「帯広とえりもで交流をしたい」と話が広がり、広野小と笛舞小が交流することになった。

 49年目を迎える今回は、6月20、21の両日に笛舞小の児童7人が広野小を訪れる。全校児童で歓迎の集いを行った後、広野小の5、6年生と笛舞小の児童で、八千代町の畜産研修センターに宿泊する。

 現在、広野小では歓迎の集いで合唱する「ともだちの歌」の練習の真っ最中。児童会長の6年田村地三朗さん(12)は「去年、えりも町に行って、友だちができたので、また会えるのが楽しみ。一緒にピザを作りたい」と笑顔を見せていた。 (奥野秀康)



■地域とつながる畑-川西小
 帯広川西小学校(辻勝行校長、児童184人)では総合的な学習の時間を使い、校内の農園で野菜の栽培から収穫までを体験する授業を行っている。地域の農家を講師に招き、野菜が食卓に届くまでのプロセスを学ぶ。

 小学3~6年が対象で、ジャガイモやトウモロコシなどを学年ごとに栽培している。同小で20年近く続く授業で、川西の農業者が児童に手を動かして野菜を育てる重要性を教えてきた。

 5月20日には小学5年の児童24人が参加し、長いもの植え付け作業を行った。講師は川西で農家を営む新井清隆さん(50)。児童から寄せられる質問にも新井さんが答え、畑で土作りから指導した。この日植えたのは新品種「とかち太郎」を約40株。収穫は11月ごろを予定しており、調理実習も行われる予定。

 5年の勝見漣仁(れんと)君(10)は「穴を掘るのがしんどかった。秋に収穫して食べるのが楽しみ」と話していた。
(本田龍之介)



■弁当の日-大空小
 帯広大空小学校(川上裕明校長)では、食育の一環として、年に1度「お弁当の日」を設定し、児童がメニューを考案したり、高学年は実際に自分で作った弁当を持参するユニークな取り組みを実施している。

 1年生の「メニューを1品考えてみよう」から、6年生の「1人で作ってみよう」まで学年ごとに目標を決め、6年生の「お弁当の日」は5月17日の遠足に合わせて設定され、児童は栄養バランスや見た目を考え、自分で作ったお弁当を持参し、訪れたグリーンパークで味わった。

 児童会長の高橋一聖君は空揚げ、卵焼き、ウインナー、ポテトサラダ、エダマメ、フルーツとベビーチーズなど色とりどりのお弁当を前日夜から準備して作った。「好きな食べ物を彩りを考えて詰めた」と話し、味にも「天才かと思った」と大満足。藤原葵さんは早朝5時に起床して弁当作りをし「卵焼きが難しかったが、火加減を調整して焦がさずに焼くことができた」と笑顔だった。(大谷健人)



■料理の哲人に学ぶ食農教育-愛国小
 帯広愛国小学校(森下寛校長、児童21人)では2年前から「料理の哲人に学ぶ食農教育」に取り組んでいる。十勝の基幹産業である「農業」を切り口に、その魅力や重要性をシェフや農家らとチームを組んで活動する。

 5月20日は日本司厨士(しちゅうし)協会帯広支部の羽山正彦支部長(北海道ホテル)と横山治幹事長(ホテル観月苑)が訪れ、10月に行われる調理会のメニューを決めた。全児童を四つの班に分け、たくさんの案の中からメイン料理やスープ、サラダなど5品を決め、どの班がどの料理を担当するか話し合った。

 今後は同校の農園で料理に使う野菜を育て、体験的学習を通じた地域づくりに貢献する人材としての素質や実践力を身に付ける。沢辺稜弥君(6年)は「去年は(天候の影響で)野菜がうまく育たなかったが、農家の人に協力してもらっておいしく作れた。すごく大変だけど楽しい」と話した。(細谷敦生)



■読書の素晴らしさを伝える図書ボランティア-大正小
 帯広大正小学校(和田尚史校長、児童110人)は、読書の素晴らしさを伝える図書ボランティアの活動が充実している。保護者ら約20人が参加。児童に読み聞かせや工作に触れる機会をつくる取り組みは、読む力や聞く力を育て、心を豊かにしているという。

 ボランティアは、朝の学習で全学年に読み聞かせを行う「大きなエプロン」、平日に図書室の飾り付けなどを行う「平日の部」、図書室の土曜解放で読み聞かせや工作教室を行う「土曜図書の部」で構成される。昨年はメンバーが減少したが、今年は北口麻衣子さん、久保真由子さん、村上佐知さんらが新規加入し、アイデアを出し合う。

 図書室で本を楽しむ子どもらは「本が好きになった」と満足げ。児童会長の久保翔馬君(11)は「いつも僕たちのために本を読んでくれて、ありがとう」と感謝の言葉を述べた。(奥野秀康)



■昔ながらの農業体験-清川小
 帯広清川小学校(鈴木宏和校長、児童70人)では、小麦を昔ながらの農具を使って脱穀や石臼でひく農業体験を行っている。地域の高齢者サロン「ふれあい広場」(大倉力雄会長)が協力し、今は見ることがほとんどなくなった昔の農業を次世代の子どもたちに伝えている。

 同校には小麦を栽培し、ピザにして味わう食育授業がある。児童の家庭の約9割は農家だが、近年は機械化が進み、農業に触れる機会が少ない児童も多いという。

 郷土の先人たちの知恵を学ぼうと、2015年からは足踏み式脱穀機や手回し式扇風機など1950年ごろまでは使われていたという昔の農具を用いて脱穀に挑戦。毎年5、6年生が高齢者の手ほどきで作業に臨んでいる。

 今年は5月に種をまき、10月に実施する予定。戸田奈津江教諭は「体験を通じて地域の歴史、農業に興味を持ってほしい」と話している。(松田亜弓)


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