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停電7万戸で解消 商店や交通なお混乱

停電が解消され信号機の作動が再開された帯広市中心部(7日午後0時10分ごろ、西2南9付近。金野和彦撮影)

 胆振東部地震による道内全域の大規模停電は、発生から1日たった7日も市民生活に混乱を及ぼしている。十勝管内では約16万6000戸が停電したが、北海道電力によると7日午前6時までに約7万200戸で解消された。ただ、停電が続く地域は多く、各市町村が設置した避難所は600人以上が利用し、200人以上が一夜を明かした。スーパーは営業縮小を余儀なくされ、JRやバスは運休し、市内小・中学校などで臨時休校が続いた。一方、病院の外来診療が再開するなど復旧の動きも出ている。

 全道の停電は、7日午前6時までに130万9000戸で解消された。十勝管内の内訳は帯広1万9500戸、音更4900戸、池田4100戸など。

 十勝総合振興局によると、6日午後に13市町村が避難所を開設。計638人が利用し、7日午前8時現在で215人が避難している。池田や音更などの断水は解消したが、午前8時時点で帯広市内1戸が断水している。

 交通機関の乱れは終息していない。JR北海道は6日に引き続き、7日も帯広と札幌を結ぶ特急全便を運休した。普通列車は道内全域で午前中の運休を決め、再開の見通しは立っていない。停電が解消した地域を運行する路線は、施設点検を行った後に再開させる。

 信号が完全復旧せず安全面の懸念があることから、路線バスは十勝バス、北海道拓殖バスとも全便で7日の運行を見合わせた。帯広-札幌間の都市間高速バス「ポテトライナー」も運休した。

 7日のとかち帯広空港発着の東京(羽田)線は、エア・ドゥが通常通り運航。日本航空(JAL)は午前10時帯広発570便のみ運航し、東京発の初便と午後の往復計7便が欠航した。

管内7人けが
 【札幌】道は7日午前11時現在の被害状況をまとめた。人的被害は十勝では帯広市3人、本別町と幕別町で各1人の5人が軽傷、負傷程度不明が帯広市と幕別町で1人ずつ。

病院周辺など優先
 道内全域295万戸が停電した未曽有の事態は、徐々に解消に向かっている。ただ、全面復旧について北電は「めどが立っていない」とする。

 北電は電力復旧について、病院や交通、通信、報道機関、水道、ガス、公共機関、避難所などに優先的に供給している。北電帯広支店は「帯広保健所と連携し、医療機関を最優先にしている」と説明。配電線ごとに供給するため、病院周辺の住宅の電力も復旧が進んでいる。

 十勝管内で電力供給が再開されたのは6日午後2時38分。上士幌町の電源開発糠平発電所の水力発電を再開させるため優先的に送電し、周辺住宅4戸も復旧した。午後8時58分には、帯広市内の9584戸でも停電が解消された。この中には、帯広厚生病院や帯広市役所などが含まれる。7日午前6時までに一部解消された地域は、管内全19市町村に拡大した。

生鮮コーナーの棚に野菜を並べる店員(7日午前8時45分ごろ、帯広市内のダイイチ啓北店で。金野和彦撮影)

店舗再開も品薄傾向
 十勝管内の大型店やスーパー、コンビニエンスストアは7日、停電が解除された地域を中心に順次、店舗営業を再開している。停電が続く地域の店舗は6日同様、営業を見合わせたり店頭のみで販売を続ける。各店は限られた物流量の中で、来店客の対応に追われている。

 ダイイチは7日、オーケー店(音更)と啓北店(帯広)の店舗営業を再開し、残りの店舗は6日同様、店頭販売で対応している(午前11時半時点)。啓北店(中村誠店長)では早朝から本部の応援を得てスタッフ総出で開店準備を進めた。中村店長は「冷蔵・冷凍が機能せず、販売できない豆腐類や刺し身など売り場の半数ほどの廃棄。青果など入ってきた商品を順次並べている」と話す。

 市内にある総菜センターも6日深夜の通電後、おにぎりや弁当2種を急きょ製造し、全店に配送した。帯広ブロックでは「通常より量は少ないが、お客さまが一番求めている品なので増員して対応した」としている。

 フクハラは西帯広店や西18条店のほか、地方店中心に十勝は14店舗で7日の店舗営業を再開した(午前11時半時点)。同社は「停電のため、通常は総菜センターで作るおにぎりなどを再開店舗の店内で製造させている。また、中止指示が間に合わず特売チラシが配布されたので、できる範囲で対応したい」とする。残りの店舗は店頭販売とした。

 7日午前中の時点では他に、藤丸やマックスバリュ北海道とコープさっぽろの管内3店は店舗営業しておらず、いずれも入り口前で飲料や菓子などを販売している。イオン帯広店とイトーヨーカドー帯広店も店舗には入れず、店頭で食品を中心に販売対応する。

 一方、セブン-イレブンやローソン、セイコーマートでは、停電や商品供給が難しいなどの理由で夜間の営業を休止するケースが相次いだ。7日午前には一部店舗で営業を再開したが、多くが新たな商品供給ができていないのが現状という。セブン-イレブン・ジャパン(東京)広報は「停電で暗くても開いている店舗はあるので利用を」(広報)とし、セイコーマートを運営するセコマ(札幌)は通電した店舗では店で作るから揚げやフライドポテトなどの製造を急ピッチで進め、販売を始めている。

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