十勝産の「国宝」初提供 フェスにマンガリッツァ豚 丸勝
雑穀卸の丸勝(帯広、梶原雅仁社長)は、同社が運営する十勝ヒルズ(幕別)で2016年から飼育を始めた“十勝産”の「マンガリッツァ豚」を26日の北海道十勝フード&ワインフェスティバルで初めて一般に提供する。同種は原産地のハンガリーでは「食べられる国宝」とも呼ばれ、アジアでは唯一十勝ヒルズで飼養されている。
丸勝は同種の保護や繁殖に取り組むオランダの団体「ロイヤルマンガリッツァ」の協力を得て、16年7月に3系統25頭を輸入。十勝ヒルズで飼養管理責任者を務める藤田隆宏さんを中心に試行錯誤を重ね、現在は十勝で産まれた個体を含め74頭を飼育する。
十勝ヒルズのマンガリッツァ豚は純血種で、ハンガリーのデュロック種との配合種よりさらに原種に近い。品種改良が進んだ種に比べ出産頭数が少なく成長が遅いため生産効率は劣るが、肉質は臭みがなくやさしい味わいで、色味の美しい赤身と融点が低く滑らかなラードが特徴。
フェスティバルに出品されるのは、3系統のうち「レッド」の13カ月齢。十勝ヒルズの「ファームレストランヴィーズ」のヘッドシェフでハンガリー出身のモルドヴァン・ヴィクトルさんが、同種の輸入肉では扱えなかったもも肉やレバーなどの部位を使い、「マンガリッツァロール」を提供する。
藤田さんは「まだまだ伸びしろがある。より肉質を高め、イベントをきっかけにレストランにも足を運んでもらえれば」と話している。(長谷川正人)
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