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幕別高3年の岩森さん、大相撲の八角部屋入りへ

「体格を生かしたい」と角界での活躍を誓う岩森さん(塩原真撮影)

 【幕別】幕別高校3年の岩森凌さん(18)が来年春、大相撲の八角部屋に入門する。身長191センチ、体重190キロと体格に恵まれている岩森さんは、柔道は少し経験しているものの相撲は全くゼロという素人。体格を見込んだ同部屋関係者の熱心なスカウトを受け、大相撲に飛び込むことを決意し、「自分の体格を生かせる場。焦らず、こつこつと上を目指していきたい」と誓っている。
(大野篤志)

 十勝関係者の角界入りは、今年5月の夏場所で初土俵を踏んだ矢後=本名矢後太規、中大、埼玉栄高、芽室西中出=に続く。

 岩森さんは1999年幕別町生まれ。「食べることが好きだった」と言い、小学5年生で体重100キロを超え、中学卒業時は188センチ、150キロに。高校に入っても身長、体重ともに伸びた。現在、ご飯は1日3合を食べているという。

 小学校時代は特に運動はしておらず、中学では2年生の終わり頃から卓球部に籍を置いた。同じ頃、アニメ「けいおん!」に触発されてベースギターに取り組み、高校入学時には軽音楽部に入部。2年の秋から1年間、部長を務めた。

 柔道は高校の体育の授業で初めて体験。入学時に購入した柔道着の下衣のサイズが合わず、新しく取り寄せたものが試合に出場することのできる公認柔道着だったことで、2年生の初冬に柔道部に入部した。「高価な柔道着を買ってもらったこともあり、運動の一環だった」という。

 昨年12月に出場した全国高校柔道選手権大会北海道大会では初戦敗退を喫したが、会場に来ていた八角部屋の関係者に大相撲への誘いの声を掛けられた。「自分の中で大相撲は関心の無い世界だった」と、その場では断った。

 今年6月、高体連全道大会の会場で同じ人から再び誘いを受けた。「その前に自分が目指した職業はインターンシップを経験してイメージと違いがあり、迷っていた」というタイミングでの誘いに心が動いた。

 9月に八角部屋から招待を受け、同部屋と九月場所の千秋楽を見学。八角親方から体格を褒められ、「これまでは自分の体格のことをネタにされたり、笑われることを経験してきたが、プラスに捉えてくれたことがうれしかった」と前向きに考えるようになり、入門を決意した。

 相撲を一度も経験していない中で厳しい勝負の世界に飛び込むことに、「多少は怖さはあるが、つらそうとは思わない。自分も負けず嫌い。挑戦したいという気持ちの方が大きい」。母からも「決めた以上は上を目指しなさい」と励まされ、「行けるところまで行きたい」と前を向く。

 かつて十勝は第61代横綱北勝海(広尾町出身、現八角親方、日本相撲協会理事長)、同62代大乃国(芽室町出身、現芝田山親方)の2横綱を輩出したが、昨年は八角部屋の北勝若=本名篠原大智、本別中出=、十勝海=本名今泉絢翔、帯南町中出=が相次いで引退し、現在の大相撲力士は矢後1人。


◆八角部屋について
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