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十勝の四季を言葉に 帯廣神社が北国版七十二候

帯廣神社の四季に合わせた「七十二候」を冊子にまとめた大野宮司

「塵光煌」=ダイヤモンドダスト小寒末候
 帯廣神社(帯広市東3南2、大野清徳宮司)は、同神社の四季の移り変わりを言葉で表現した「七十二候(しちじゅうにこう)」を紹介する冊子「帯廣神社 七十二候」を発行した。帯広・十勝の環境に合わせた七十二候は初めてで、道内でも珍しいという。制作した大野宮司は「神社周辺の多様な自然に目を向けるきっかけとなれば」と話している。

 七十二候は本州の気候が基準のため、北海道では当てはまらないものが多い。

写真と言葉で神社周辺の季節の移ろいを説明している

 “帯廣神社版”作製のきっかけは昨年3月、広島県杉森神社の宮司が自身の神社にちなんだ七十二候をインターネット上で紹介していたのを見て、「帯廣神社ならではのものを作ろうと思った」と大野宮司。その後、帯廣神社のフェイスブック(SNS)を通じて1年間、七十二候と写真を紹介し、このたび編集して冊子にまとめた。

 「帯廣神社 七十二候」は、帯広測候所の過去の気象データや、大野宮司が同神社周辺の季節を調査した内容をもとに紹介しているのが大きな特徴。例えば、本来の「小寒末候」(1月15日ごろ)では「雉始雊(きじはじめてなく)」という言葉が当てられているが、「塵光煌(ちりひかりきらめく)」と細氷(ダイヤモンドダスト)の見られる季節として言葉を当てている。それぞれの候には、大野宮司自らが1年を通じて撮影した神社境内や周辺の植物、エゾリス、野鳥など生き物の写真が添えられている。

 冊子は、1日から同神社の授与所と社務所で受け付けを開始した「帯廣神社 えぞりすの森奉賛金」に500円以上奉賛した人に贈呈される。

 この奉賛金は同神社、十勝護国神社合わせて約1万坪(約3万3000平方メートル)の森の管理、育成に充てることが目的で、大野宮司は「神社の森は神様の住み家であり、自然の息づく場所であり、人の憩いの場。貴重な森を後世に残していくことに理解を示し、協力していただければ」と呼び掛けている。(大木祐介)

<七十二候>
 立春、冬至など1年を24等分して節目を表現する「二十四節気」をそれぞれに「立春初候」「-次候」「-末候」のように3等分したもの。さらにそれぞれに対応する言葉を当て、約5日ごとの気象、生き物など、四季の変化を表現している。

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