師走スケッチ「そば生産ピーク 新得」
【新得】年の瀬の食卓を飾るそばの製造が、そばどころの新得町でピークを迎えている。新得物産(町基線104、清水輝男社長)の製麺工場内では、3メートルの細長いそばの束が簾(すだれ)のようにつるされ、従業員が慌ただしく作業を進めている。
同社は年間出荷の約4分の1が12月に集中する。人員を増やして態勢を整え、普段の2倍に当たる1日3万5000食分を製造。つるされたそばは、冷風低温の乾燥室をゆっくり移動し、風味を損なわないように24時間かけて乾かしている。
出荷先は道内百貨店やスーパーなど。人気は3000円前後の贈答品で、この時期は個人客からのインターネット注文も増え、大みそかに向けて25日ごろまで出荷が続く。
台風10号による被害で、収穫量が約40トンに落ち込んだ昨年とは一転、今年は豊作となって例年以上の約110トンが確保でき、味、香りともに最高という。
清水社長は「家族で新得そばを食べ、健康な新年を迎えてほしい」と話している。(小寺泰介)