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台風10号 子連れ避難リポート

初めての避難を経験した宮木一家

十勝管内に甚大な被害をもたらした、台風10号による大雨災害。各地で避難指示・勧告が出され、十勝毎日新聞の子育て中のスタッフも該当した。初めての「子連れ避難」をリポートする。

授乳、おむつの確保に不安
◇事業局・宮木宗久=中札内村在住=の場合
 札内川から直線距離で約400メートルの農村部で、妻、長女(小学1年)、保育園年長の次女(年長)、長男(4カ月)に加え、大型犬と中型犬の2匹と暮らす。

 8月31日午前2時半ごろ、役場職員の戸別訪問で避難指示が伝わる。子どもたちには日ごろ、テレビで災害の場面などを見た際、「危ない時は避難しないとね」と話していたため、指示を受けてから避難までの準備は通常の登園、登校前と比べてもスムーズだった。

 同3時ごろに避難所の文化創造センターに到着。避難所には小学校、保育園の同級生の家族もいたため、子どもたちはしばらく興奮気味で、静かにするよう言い聞かせるのに一苦労した。

 床に防災用の毛布を敷いて眠ったが、子どもたちは疲れていたのか、短時間ながらも睡眠を取っていた。長男は母乳なので、授乳ケープを使って授乳。粉ミルクの場合、お湯を確保する必要があり、避難所では気を遣いそうだった。

 今回の避難時間はわずか5時間ほど。長期間にわたる場合は、布団などは不可欠だ。紙おむつも十分な枚数を確保できるのか不安になった。自身が不在がちなだけに、妻と子どもたちだけの避難を想定し、日ごろから家族で話し合う必要性を感じた。

道路渋滞 車での移動反省
◇編集局・丹羽恭太=音更町在住=の場合
 十勝川と音更川の合流地点近くに、妻、長女(年長)、次女(年少)と暮らす。8月31日未明、町のホームページで避難勧告が出ていることを確認。避難すべきか迷っていると、隣の住民が「避難指示に変わるかもしれない」と教えに来てくれた。

 雨の中を子どもを連れて1キロ以上歩くのは無理と思い、自家用車で出発。避難所(音更緑南中)に向かう道路は大渋滞していた。「東北ではこうして津波にのまれた人もいたんだな」と、車で避難したことを反省した。

 大混雑の避難所で何とか居場所を確保すると、落ち着く間もなく仕事(取材)を開始。こういうときに家族と一緒にいられない職業を選んだことを恨めしく思った。ただ、「情報がないのが一番いらつく」という避難者の言葉に、少し背中を押された。

 子どもたちが通う保育園は閉園となり、避難所になった中学校の1教室が臨時の保育所に。「どうしても仕事の都合がつかなければ預かります」という保育士の言葉がありがたい。保護者の中には自衛隊員や消防隊員、警察官に医療関係者もいる。“銃後の憂い”なく仕事ができるよう、災害時も子育て支援サービスを途切れさせないことが、結果的に大きなサポートになることを実感した。

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