河川敷ゴルフ場、廃止も視野 帯広市三セク緑化振興公社
被害復旧に数億円
帯広市の第三セクター帯広緑化振興公社(社長・米沢則寿市長)は28日、市内で取締役会を開き、台風10号で大きな被害を受けた帯広リバーサイドゴルフ場(西16北3)の存廃について協議した。資金面など存続に向けたハードルは高く、結論は出なかった。
年内にも存廃方針
同ゴルフ場は十勝川の増水で、約70ヘクタールのコースに土砂が流れ込んだり芝がえぐれたりして壊滅的な被害を受け、全コース閉鎖している。造成時には約3億円掛かっており、復旧にもこれに匹敵する費用が掛かるとされる。民営のため激甚災害制度の適用は受けられず、すべて自己負担となる。
同ゴルフ場の昨年度の利用者数は2万5463人で、ピークだった1994年の4万3152人に対して約4割減少。同公社は昨年度、3年ぶりの赤字となった。こうした状況で、復旧のための増資や借り入れができるかは不透明だ。
また、近年は大きな被害には至らないまでも、たびたび川の増水でコースが部分的に冠水している。取締役の1人は「気候が変わってきている中で、仮に復旧しても河川敷で安定的な運営ができるのか」と疑問を呈する。経営安定のためには値上げも選択肢になるが、低料金で公益性の高い施設として河川管理者から占用許可を受けているため、それも容易ではない。
同ゴルフ場と同様に第三セクターが運営し、台風被害を受けた幕別町の札内川ゴルフ場は、来年夏以降の再開を目指し、町に資金面の支援を要請する方針を26日に決めたばかり。別の取締役は「このタイミングでは結論を出しづらい」と、同じく公的性格の強い札内川ゴルフ場の動向も注視する。同公社では年内にも存廃の方針を固める考え。
(丹羽恭太)