清水町 台風被害165億円 農業用水復旧に53億円
【清水】町は27日までに、一連の台風による被害額(復旧費)が、現段階の試算で165億円に上ることを明らかにした。今後の調査でさらに膨らむ可能性もある。
道路関係では、橋梁(きょうりょう)24カ所13億2000万円、道路崩壊や路盤砂利流出、側溝閉鎖など町道79カ所12億5000万円、河川は7カ所で19億3000万円となった。被害の軽微な路線と緊急を要する道路は町直営と単独災害復旧事業として着手し、被害が大きい箇所については公共土木施設災害復旧事業として実施する。
農業関係は、8月30日から31日にかけての台風10号だけで3279ヘクタールが冠水、農地は2万282ヘクタール(114戸329ほ場436カ所)が土砂堆積・流出するなどして32億2000万円の被害があった。明きょ排水は36路線349カ所の護岸流失やのり面浸食で19億4000万円、町営育成牧場は9億5000万円。
水道関係は、取水口の被災で清水市街地など約3000世帯が2週間断水し、上水道に3億6000万円の被害が出た。約210戸が断水中の農業用水は、管路や施設の復旧に53億6000万円。公共施設にも1億7000万円の被害があった。また、27日現在、同施設を含む家屋全壊12件、半壊7件、床上浸水12件、床下浸水45件の被害を確認している。
町は27日開会した定例町議会で、緊急的な災害復旧費3億613万円を追加した一般会計補正予算を専決処分した。
高薄渡町長は「できるだけ早期に災害見舞金の交付や税などの減免措置を検討していく。国や道と連携を深め、応急工事を含む早期復旧を目指す」と述べた。(小寺泰介)