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最後の避難所を閉鎖 2世帯が公営住宅へ 新得

公営住宅での新生活に向けて準備を進める日下部さん(右から2人目、17日午前11時5分ごろ)

 【新得】町は17日、台風10号による大雨災害で開設し、町内で唯一残っていた新得小学校内の避難所を閉鎖した。最後まで避難生活を送っていた2世帯3人は町内の公営住宅に入居が決まり、不安な気持ちを抱えながらも新生活の準備に追われていた。

 日下部節子さん(70)と孫の壱宝(かずたか)さん(21)は、若草団地への入居が決まった。17日は清水町内から節子さんの長男夫婦ら親戚4人が駆け付け、午前9時から荷物を運ぶ作業などに追われた。節子さんは時折笑顔を見せながらも「元の家は諦めるしかない。後ろは振り向かず前進したい」と涙した。

 夫の龍造さん(享年76)を1月に亡くしたばかり。立ち直る矢先に襲われた災害だった。「こんなに長くいることになるとは」。避難時に自宅から持ち出したのは仏壇一式と下着や貴重品のみだった。2日後に戻ると、1階はガラスが全て割れ、土砂が階段3段目まで埋め尽くしていた。

 「いっそ自分も流れた方が良かったな」。思い出の詰まった大切な家が被災したショックから「夫の元へ行きたい」と思ったこともあったという。避難所では隣人らと冗談を言い合い、努めて明るく振る舞った。家具や電化製品、食器、衣類を失ったが、家の後片付けを含めて周囲の支えは温かかった。「皆さんに感謝したい」と力強く話した。

 清水町では17日現在、保健福祉センターに1世帯2人が避難を続けている。(小寺泰介)

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