東風持続で大雨に 台風１０号
台風１０号の接近に伴い十勝地方を襲った大雨は、東風が長時間持続したことが要因とみられている。日高山脈にぶつかった東風が上昇気流となって雨雲に発達し、降り始めからの総雨量が上士幌町糠平で３００ミリを超えるなど山沿いを中心に雨量が増えた。
帯広測候所によると、千島の東にある高気圧の影響で、十勝地方は２９日から東風が吹いていた。そこに大型の台風が接近したことで東風が強まり、暖かく湿った空気が入り込み雨量が増大した。台風本体の東端の雲も十勝にかかり、風は２９日から３１日朝まで続いた。
台風による大雨のピークは３０日午後６時から３１日午前３時ごろまで。雨量が多くなった日高山脈沿いでは、３０日午前５時ごろから時間雨量１５～３０ミリの強い雨が降った。２９日午前０時から３０日午後１０時までの降水量は２００ミリを超え、雨が流れ込んだ河川の水位は上昇。その状態で大雨のピークが訪れ、管内で河川増水が相次いだ。
通常、台風や低気圧が通過する場合は風向きが刻々と変化し、雨の降り方も変わる。同測候所は「ここまで東風が続くのはまれ」としている。（池谷智仁）
糠平で３０６ミリ 帯広は１２８ミリ
台風１０号の接近に伴い、十勝地方は３０日から３１日にかけ、猛烈な雨と非常に強い風に見舞われた。降り始めからの雨量は上士幌町糠平で３０６ミリに達するなど、記録的な大雨となった。
帯広測候所によると、降り始めの２９日午前０時から３１日午前６時までの総雨量は糠平の他、中札内上札内２７３・５ミリ、新得２３２ミリ、上士幌町三股２１０・５ミリ。帯広は１２８ミリ。３１日午前０時までの１時間雨量は、新得町南部付近で約９０ミリに達した。
最大瞬間風速は広尾２６・２メートル、更別２５・３メートル、帯広空港２３・７メートルを観測。最大風速は広尾で１７・７メートルと最も強かった。
同測候所は河川の増水や氾濫、土砂災害に引き続き警戒するよう呼び掛けている。
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