台風再び 十勝も警戒
河川増水、交通に乱れ
台風10号の北海道接近に伴い、8月に3度の台風被害を受けた十勝管内では警戒を強めている。30日午前は各地で河川増水に備えた他、広尾町十勝港では船を陸に揚げる作業に追われた。同日正午現在、札内川・札内橋の観測所(帯広市東13南8)と広尾町・楽古川で「はん濫注意水位」を超えている。帯広と札幌を結ぶJR特急は全便運休するなど、交通機関にも影響が出ている。
広尾町では30日午前、定置網を設置するための磯船が流されないよう、船を陸に揚げた。漁業者15人ほどが集まり、重機を使って作業に当たった。
十勝沿岸では台風の接近で30日解禁の秋サケ定置網漁を見合わせており、開始時期への影響も心配されている。管内各漁協は台風通過後に網の設置日を決める予定だが、これまでの大雨で沿岸に打ち上げられた多数の流木が、今回の台風で海に流出すれば網を傷つける恐れもある。ある漁業者は「台風でどうなるかは分からないが、流木もあり今後が心配」と話していた。
河川では先週の大雨後、通常の水位に戻る前の台風接近で、河川管理者は警戒を強めている。帯広開発建設部は増水で25日に削られた清水、芽室、音更各町の河岸などを重点的にパトロール。応急対策に使うブロックなど資材の備蓄状況を調べ、パトロール態勢を整えた。
帯開建治水課は「真夜中が雨のピークで川の水位も上がると思う。長丁場になるがしっかり警戒態勢を取りたい」とする。
幕別町の札内川は河川敷が水浸しとなり、設置していたトイレなどを撤去した。
交通機関も乱れた。JR北海道は30日、帯広と札幌を結ぶすべての特急を運休した。
道東自動車道は29日午後9時55分から、降雨のためトマムインターチェンジ(IC)-十勝清水IC間を通行止めとした。今後雨が強まることが予想されるため、現時点では解除の見通しは立っていない。
帯広-札幌間の都市間高速バス「ポテトライナー」はJR運休に伴い振り替えで利用する客も多く、30日の便はほぼ満席。共同運行する北海道中央バス(小樽)によると、道東道の一部通行止めなどの影響で各便とも遅れが出ている。
30日正午までに、国道274号日勝峠と同236号天馬街道が通行止めとなった。同273号三国峠は20日から不通となっている。30日午前11時現在、道道は7区間が通行止め。
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